30年目1

家で1人で年を越すの、結構久しぶりな気がする。

ライブしてたり、何かしらナシクズシ的に年を越すことが多かったから、こうして日をまたぐのを無音で待つのは結構久しぶりだ。

高校生の時、真っ暗な部屋で年をまたぐ瞬間に好きな曲を爆音で再生する、という今思うと本当に暗い奇祭を催していた。

Kula Shakerの"Hey Dude"を再生した年があったけど、今年はイギリスから来たKula Shakerと対バンもしたんだと思うと、あの奇祭も意外と祈りが天に通じたりしたのかもしれないと思う。

いや、本当に結構そういうことなんだと思う。

 

 

実は、今年はオワリカラにとって激動の年だった。

オワリカラをやりたいと言う(ちょっと変な)メジャーレーベル、徳間ジャパンとそのスタッフが現れ、

『ついに秘密はあばかれた』というアルバムがリリースできた。

年始はスタジオワークとかで大変だったな。

それで事務所とも初めてしっかり関わって、あらためて色々なことを試せた。

諸先輩方にコメントをもらって、リリース、ツアー、夏フェスへの出演、Kula Shakerやサンフジンズとの共演、ワンマン、実験惑星。

思ったようにハマらないことも多くて、スタッフに喧嘩をふっかけたことも一度や二度ではないけど、

1年通してオワリカラの音楽で発信しつづけられたこと、挑戦できたこと、これは本当に嬉しいよ。感謝。

そして、アルバムを買う、MVを見る、ライブに来る、踊る、歌う、叫ぶ、笑う、泣く。

オワリカラへ、1アクションを起こしてくれたみんなありがとう。

すべてのその、1アクションずつ。

1アクションを起こすのって本当に大変だもんな。出不精なおれが1番良く知っている。

1アクションは、まじたいへん。

このブログを読むのだって、1アクション。

その1アクション、おろそかにはせぬぞ。

たとえばこうイメージする。

このバンドがライブでどーんと鳴らした音が、耳には聴こえなくなっても鳴り止まないってイメージする。

音の波長が耳に聴こえないくらい微かになって、その振り幅が限りなく平坦になって、無音に近くなっても、それは無になったわけではなく、未来永劫、世界を遊泳するようで、気づかないところで何かに影響を与えたり、コトワリに触れたりしている。

みんなと一緒に、その波形の行き先を眺めている感じ。

今年はほんとうにお世話になりました。

来年はさらに良い曲作るので、よろしく!

 

 

 

あと、今年は後半に、オワリカラでアイドルネッサンスのバンドセットを担当してZeppワンマンを皮切りに3回演奏した。

めちゃめちゃ楽しい時間で、アイドルネッサンスのみんなと、スタッフとファンの人たちに心から感謝してます。

これは前にもちょっと言ったけど、僕のこの好きなことだけやってなんとなくギリギリ許されてきた30年と、彼女たちのこの2年の頑張りは、天秤に乗せたらあちらの方が重いと思う、それくらいの頑張りだ。

とっくに大人の自分が10代の彼女たちを見て尊敬できて、背筋が伸びる思いだった。

凄腕の炭竃さん、園木さん、イイジマさんとの演奏は、本当に勉強になる仕事でした。

これもすべて『踊るロールシャッハ』を選曲したセンス最高のテリーさん、ありがとね!!

またやろう!

 

 

まだ書きたいこと大量にあるけど、とりあえず年越し蕎麦食べにいってくる。

今年もあと10分。

そのまえに、もっかいさいしょから考えてみないか。

 

(youtube公式サイトか、アプリで読むと超とべちゃうすごいMV)


オワリカラの新作、出た



本日、アルバム発売しました。
オワリカラ
『ついに秘密はあばかれた』
時間をかけてアルバム2枚分くらい作りこんだので、かなり聴き応えあると思う。
いろんなシチュエーションで聴いてほしいよ。
百聞は一見にしかず…
じゃない、
百文は一聞にしかず、なので聴いてみて。
良い旅を!

http://youtu.be/mAlQfwd10vI

フライングゲットしてくれた加速度高めの人はもう聴いてるだろうか。
ありがとう。
楽しいと思えたなら、たくさん伝えて広めてやってね『ついに秘密はあばかれた』

http://youtu.be/LidOx_I2tOo

あと初回盤ワンマンライブDVD。
これも良い感じなのでご紹介。
今回は初めてライブ音源のミックスまですべて立ち会い、ライブの音をそのまま、クリアに鳴らせたと思う。
映像は、ここ数年オワリカラを撮り続けている七五三デーズだから、間違いない。
店舗特典のライブシングルも同じく、ライブの内容含めて自信作なのでチェックしてね。


http://ototoy.jp/_/default/p/62581

それともう1つ。初めての試みで、ototoyでハイレゾ配信をやります。
今回、70年代のアナログテープを回したり、自分でミックスに参加したり、音にこだわった。まきおくんのミックスも最高なので、ハイレゾ高音質配信をやることをOKしました。
ここからは、個人的な意見だけど、ぶっちゃけてロックの場合はハイレゾとCDはまったくの別物になるよね。
CD<ハイレゾなわけではなく、そもそもロックミュージックは高音質なら無条件で良い、というものではないのです。劣化の文化だから。
でも、今回のアルバムはハイレゾでは違う魅力が浮き出てくるかとしれないと思ったので、ハイレゾを出すことにしました。
たとえば、空気やちょっとした息遣い、アコギのキラッした部分、ボンゴやコンガやトライアングルの鳴り物、隠された物がより近くに聴こえてくるかな、と思う。ハイレゾでも、さらなる秘密をあばいてください。


昨年の夏、new music from big pinkリリースした時に思ったこと。
今のところ、とにかく基本的に売り上げチャートに無縁な人生である。
初週にたくさん売り上げる音源と、少しずつじわじわ売れ続ける音源が世の中にはあるのだけど、少なくとも僕のはほぼ後者に入るとは思う。
ていうか、そもそも今までそんなにヒットしてないのだが、それもあってチャートについて考えたことって実はあまりなかった。
長ーく売れること自体は、ロックバンドとしてはたいへんに良い事だと思うが、
基本的に大きく見れば人を巻き込み、メンバーの人生を巻き込み、完全に大人になってもバンドをやっている以上、否が応でも意識しないといけない「プロの仕事」の側面はある。
わかっているつもりだけど、音楽の事ばかり考えてる時には感覚としてついてこない時もある。

でも前回、『new music from big pink』がオリコンインディーズチャートの20位に入った。
不思議に思ったのは、あのシングルこそある意味「仕事」の割合がかなり低いCDだからだ。
それは中身のことでなく、マジでノンプロモーションだということだ。自分たちで作ったから、ほとんどプロモーション予算もない。だから雑誌や媒体にも出てない。そのかわり、自分たちで出来る事でベストは尽くしたと思う。その結果、そこにこの曲が顔を出した事の意味は大きかった。
チャートというのはおもしろくて、20位と21位では違う。いや、当たり前だけども。
それすらも今まで考えた事なかったけど、表立って発表されるのはインディーズの場合、20位までだ。
21位からは調べないとわからない。ある意味、ビッグピンクはまさにその境目にいる。
で、今CDも売れないと70億回ほど言われてる時代で、本当にチャートの順位って、100枚、いや数十枚単位、いやもっと言えばもしかしたら数枚で変化する時もあるかもしれないってくらい。
だから、これ、あなたがあの夏に買った1枚がオワリカラのシングルを21位から20位に押し上げたのかもしれないんだよ。
ていうかそうなんだよ。
これが感覚として理解できたとき、チャートや売り上げというものの違う意味がちょっと理解できた。
あれは1人1人の集合体だ。ライブと変わらない。
「そんなこといまさら、マジで30になって何言ってんだ」と言われそうだけど、僕は本当に経験しないと何にもわからない人間ですが、
理解したら、あの数字の「1」の見え方は変わった。
君が買ってくれた(る)アルバムは、売り上げの上では数字の「1」になる。
でもその、顔の見えない1は、体温をもった1で、その1のために2年試行錯誤しながら時間をかけて作ってきたと言える。
なので、ありがとう。

昨年のbig pinkの夏、次にプロモーションをして音源を出せる時は、その1に向けてやろうとも思った。
今、まさにそういうタイミングがやってきた。

それでは、このあとはニコラジ。
夜はラジオだ。
1へ。

じゃあ、アルバム楽しんでくれ。
良い旅を!


オワリカラの新作、出る

オワリカラ、メジャー1stフルアルバム『ついに秘密はあばかれた』
リリースまであと1週間。
1週間なんてあっという間だ、図工の時間が終わってから次の図工の時間が来るまでだから。
待てよ、でも僕は図工クラブだったから違うな。
図工クラブで金田一少年の事件簿のパロディで殺人事件漫画みたいのを作ってたら「サカキバラ事件」が起きちゃって、校長室に呼び出されて制作中止を言い渡された。
はじめて「言論弾圧」を肌で感じた思い出。
思えば、良い意味でも悪い意味でも、そういう妙なタイムリーさに縁がある。
今回のアルバムも、良い出会いも多かったが、トラブルも物凄く多かった。
それゆえにか、こうして世に出せるのが、感慨深くてしょうがないよ。

ずいぶん長い事アルバムを作っていたので、まだ客観的な見方が出来なくもなっているけど、史上最長の12曲、そのすべてがオワリカラを12等分した部位の結晶です。
気持ち悪い言い方しちゃった。
いろんな曲が書けた。
ことさらに何かの押し付けにならぬように、気づいたら忍び込んでいる「座敷童」的な?いや、気づいたら奪い去っている「カリオストロの城」のルパン的な?「やつはとんでもないものを盗んでいきました、それはあなたの心です」そうだよ銭形、心のように普通のこと、魂のようなものを少しでもかすめている、なでるように触れている。当然のこと。それが当然なのが激しくやるせなく、それでも美しいみたいなこと。演奏がかっこいいぞ。そしてたまに笑える。楽しいよ。そんなアルバムを。
聴いてください。
楽器弾く人はコピーしてよ。
恋人やご家族へのプレゼントにもどうですか。
とにかく全員、聴いてください。

バンドにとって"1st"と呼べるアルバムはどんなに多くても2枚しかない。
それはこの世にいた、という碑石のような、「こんにちは赤ちゃん」的な産声だ。
一度目の産声は自分で世界をこじ開けるために、二度目の産声はだれかの世界をこじあける為に、あげられる。
二度目の産声をあげられること自体が、ある意味とても「選ばれたこと」なんだろう。
オワリカラは、今までオワリカラの音楽に耳を傾けてくれたすべての人の力で、その瞬間の余韻で、このステージに立っている。
それは本当にそうだ。
それが一瞬であっても、永遠であっても。
だから僕は以下のことを、疑う事はないだろう。

僕の思うポップミュージックは、お前にとって最高だ。
僕の思うダンスミュージックは、お前にとって最高だ。
僕の思うフォークミュージックは、お前にとって最高だ。
僕の思うロックミュージックは、お前にとって最高だ。
僕がやってるロックバンドは、お前にとって最高だ。
今までも、これからも。

 

オワリカラNEWアルバム”ついに秘密はあばかれた”についての、日本でいちばん長いブログ

昨日、ついにNEWアルバムのマスタリング(CDを作る最後の作業)が終わった。


これにて長かった音源制作の日々が終わってしまい、達成感とともにちょっとしたレコーディングロス状態です。


とはいっても、アルバムの中身が出来てもリリースまでの2ヶ月まだまだやることはあり、ていうか発売しないと世に出たことにならないので、ていうか買ってもらい聴かれないと嫌なので、今日は映像の編集に行ってきた。

それが予想を超えた振り切れ方で、「う〜む、僕の言う事は無い!あとはよろしく!」という感じで意外に早く終わったので、この時間でブログを書いている。




発表(たくさんの反応に感謝)と同時にブログを書こうと思ったのだけど、その時点では中身が完成していないどころかレコーディングの佳境に突入していて、毎日が「スタジオで芋洗い状態」で、そもそもまだ自分でもアルバムの全貌がわからないのに何か無責任なこと書いても説得力無いだろうなー、と思い書かなかったんだけど、

中身が完成した今なら自信を持って最高のアルバムだと言えるので、

今やっと書けます。



何度だって言っておきたいことだから、あらためて。




5月18日、

オワリカラ、メジャー1stフルアルバム『ついに秘密はあばかれた』を徳間ジャパンからリリースします。

この2年ぶりのアルバムで、今までの人も、これからの人も、全員を新世界へお連れします。

全12曲、自信アリ。











というわけで今日は、アルバムにまつわるいくつかの秘密をあばこうと思う。


(綺麗に繋がったなあ。ねえ?)




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渋谷モンパルナス終了!

オワリカラ主催サーキット・渋谷モンパルナスvol.2、無事終わりました
ご来場の皆々々々々様、出てくれたバンドたち、本当にありがとう。
楽しかった…1日ずっと。
アメイジングなイベントができたと、本気で思う。

出てくれたバンドはもちろん
撮影の七五三デーズ、水藤監督、おはぎちゃん、WWWのPA、照明、運営はオワリカラチームが、GARRETはRocketDashRecrodイコウガさんが、CYCLONEはRock Steady Wasedaの皆さんが中心になって運営してくれた。イベントのアートワークは中村遼さん。本当にありがとう。全員集合だった。
僕も社会適合力低いとはいえ、その大変さを理解してます。
僕たちに関わってくれて、心から感謝してます。

オワリカラツイッターで、当日の写真やお知らせなど見れるよ。
(ていうか、そっちを見てください!)

ここでは普通は書かないことを書くので。
集客足りませんでした、すいません。
「8分咲き」でした。
そもそも「入場規制」を無くそう、というのが一個テーマとしてあった。
一般的なサーキットイベントにおいての入場規制がどうこうというのは考えてない。
そりゃ僕も自分のバンドが入場規制になると単純にたくさんの人が見たいと思ったということだからすごく嬉しいし。
しかし例えばミ○ミホイールや見○題や下○沢にてとかの規模で入場規制になったなら「すごい!」という話にもなろうが、「渋谷モンパルナスで入場規制になったんだ!」と言ってもこれはもはや別になんか違うだろうって話だ。
それなら、せっかく音楽好きが集まる自由に楽しいもモットーのモンパルナスなんだし「見たいバンドは絶対に見れる」ことを重視したいと思った(第1回から)。
そうすると会場の数はどうしたって3〜5くらいが限界だ。
それと「バンドにギャラを払う」ことをしたうえで、ちゃんとイベントが回ることを両立したいと思った。
これだと、たくさんの会場を押さえて「めちゃくちゃたくさん出るから楽しそう!」というのが、まずできない。
どうしても入れない会場が出てくるから。
そうすると15バンドの「組み合わせの面白さ」でいくのだ。
これは前回も同じコンセプトだった。
その「意外な組み合わせの面白さ」、それは前回同様、今回もできたと思う。すごいメンツだと誇りを持ってますし、事実みんな最高のライブだった。
それで今回、400人以上がモンパルナスに来てくれたので、良い感じじゃないかと思うのだが、上記の条件を満たすには実はもう少し足りないのね、びっくり。
つまりもう少しの人たちに面白さを伝えて、重い腰を上げて昼から街に出て現場に来てもらわないと達成できない。
上記の条件を満たすには、全ての会場が程よく満員になりつつ、イベントとして回る、あるピンポイント…そんな針の穴に糸を通すような着地点を達成せんといかんのです。
それはたしかに針の穴に糸を通すようなことなのだけど、穴の1つや2つ通せないのでは意味が無いのです。
だから「8分咲き」なのです。
イベントの「内容」とはまったく関係のない話なんだけど(そこは最高だった!)。
で、残りの2分はひとえに我々の「宣伝能力」の不足だ。
「面白いこと」をやるのと、「面白さ」を伝える事はぜんぜん違うからね。
そこは反省して、今後がんばりますぅ。

とか言いながら、
「新宿モーション10周年10月10日全10バンド持ち時間10分チケット代10円」
というさらに無謀なイベントを企画してしまいました。テヘペロ。

「頭おかしいのか」とたくさんの声をいただいております。
でもね、僕らが面白いことやったら、必ず来てくれる人たちがいることを知っているから、こんなこともやれる。
つまりあなた。そこはお忘れなく。


渋谷モンパルナスについて

オワリカラ主催サーキット『渋谷モンパルナス』まであと2日。
ていうかもう40時間以内。
すでにタイムテーブルも公開されて、あとは明後日の13時半の開幕を待つのみ。
一番手は撃鉄、最後はオワリカラ。
全15組、手前味噌ながら(手前味噌ってなんなんだ?)、
すっごく面白いと思うのよ、この並び。
「たしかなものを、意外な組み合わせでやれたら良いよなー」という、
最初にイメージしたまんまの手触りになった。
たくさんの人に来て楽しんでもらって、出演してくれたことに報いたい。来てね。


モンパルナス直前だからなのか、バタバタしてて落ち着かないので空いてる時間は無心にゲームをやっている。ポチポチと。
『スパロボBX』という、いろんな作品に出てくるロボットが共演するゲームで、これをやっているとサーキットイベントに似ているなぁと思う。
そこで作品数を数えたら、主人公ロボ以外14組。これモンパルナスと一緒じゃん!となり、モンパルナス出演バンドをロボットに例えた「スパロボBXと渋谷モンパルナスは似ている!」という意味不明のブログを書くところだったが、どうしてもうまくハマらないので没にした。至極残念。
「ダンバイン=カーネーション」とか、結構良かったんですが。
バンドをロボットに例えるのは難しい、という本当にどうしようもない経験を積んだ。

さて、そうそうバンドといえば、各バンドの紹介をオワリカラ公式ツイッター(こちら)でやっている。
フォローせずとも覗いてみてほしい。
いや、そして勢い余ってフォローしてほしい。

15バンド(オワリカラ抜くと14)、かなり縦横無尽なメンツになったのでちょっと戸惑ってるような声を聞くのですが、
「メンツのわかりやすさ」という意味ではたしかに違うかもなぁ、オワリカラらしさって意味ではこれ以上ないけど。
でもその迷いとか、驚きが、面白さや出会いなんだと思うんですよ。
すべて絶対に「音楽の面白さ」を感じられるアーティストに出てもらえたと思うので、
ひっかかる部分が1つでもあれば、もうそのまんま1日楽しめるのを保証するよ。
そのひっかかる部分にのっかってみてよ。

自分の感性以上の羅針盤なんてこの世には無いしね。
情報にあふれて、センスにあふれて、正解にあふれてて、それがとても難しい世の中ではあるけど、あなたの人生の主役は常にあなたなわけだし。
よくわかんなくなってきたな閑話休題。

出演バンドに関する話は、ツイッターで全力でやってるので(むしろそっち見てください!)
ここでは普通しないような話をしよう。
「出てもらえなかったアーティストの話」を。
実は、今回のイベントに呼びたくて声をかけていたけど、ダメだったアーティストが二つある。
いや、断られてしまった事はもっとたくさんあるけど、この二つは最初から絶対入れたいなと思っていてダメだった。

1つは、『ゆれる』
真っ先に依頼を出してバンドも出演したいと言ってくれていたのだけど、どうしてもスケジュールが合わなくてNGになってしまった。
あみくんは、夜中に「どうしても無理だ、ごめん」と電話をかけてきてくれた。
同じ日、ゆれるは地球の別のどこかで動いている。
一緒にやれないのは残念だけど、地球のどこかでバーンとやってくれてれば僕は嬉しく思う。
そっちのバーンと、こっちのバーンで地球を回そう。

代わりってワケじゃないけど、ゆれるにはツアーに参加してもらう。
岡山でツーマン、広島、福岡にも参戦。来てください。

もう1つ、というかもう1人は大槻ケンヂ氏。
氏の番組に呼んでもらった時から、オーケンを呼びたいなーと思っていたのだが、同日にある『夏の魔物』に出演が決まってNGだった。
こちらもまた、青森でバーンとやっていらっしゃると思う。いつかどこかで一緒にやりたい。


そうやって実現できなかったことも含めて、本当裏ではいろいろなこともあって、基本的にそんなに働きたくない、忙しいの嫌いな僕にしてはよく働いて、実現できたこのメンツにとても誇りを持っているのです。
まだ滑り込みでチケットも買えるので(ぴあだけ終了)、もうちょい駆け込み予約がもらえたらとても嬉しいわたしたち。2日後モンパルナスで会いましょう。
絶対、楽しいよ。


最後、20:30〜からWWWでのオワリカラ。
ここでいくつかお知らせがあるよ。


ニューシングル『new music from big pink』について

8/26にリリースのオワリカラのシングルについて。



・”new music from big pink”の話

”new music from big pink”を、オワリカラのライブに来てくれている人は聴いたことがあるかもしれない。
いつも、ガっっっっっっっっっとやってめちゃくちゃになったステージを立て直してから、最後に演奏しているあの曲。
いつもその前の部分でライブが終わったと思って、サーキットだと帰る人がいたり、つくばロックフェスでは転換DJが始まっちゃった笑。
でも、この曲が出来てからずっとライブの最後に演奏し続けてきた。
2015年上半期、セットリストからはずすことはほとんど無かったのは、
「良い曲だ〜」という自信と「大事な曲になる」という確信があったからだと思う。
この曲が出来た夜、歌が、曲が、言葉が、アスファルトを離陸してまっすぐに飛んでいくところがイメージできた。
あの時、北北西の空はクリアだった。

この曲は、バンドマンにもリアクションや人気がある曲だったりする。
けど、「良い曲で大好きだけど、売れないと思う」と言われたりもする笑。
いやいや、おれはそうは思わないけど、たしかにこの曲は「音楽を求める人」に響く曲なのかもしれない。
でも逆を言えば、音楽を求める人「全員」に響くと思う。
だから、シングルにしよう。
今回はタワーレコード限定シングルで出せることになったけど、ありえないくらい何も決まって無い、自由すぎる状況で作った。
それはつまり全部自分でやっていく世界で、音源制作から、誰にジャケを頼み、誰にPVを頼むかもバンドの人脈で、そのやりとりも自分たちで進めている(各所に迷惑かけてたらすいません)。
今更なDIYアピールをしたいのではない。
そういう自由なタイミングでやれるなら、やっぱりこの夏、この曲を出したかった。
理由は言葉にすると正直難しくなるけど、
これがオワリカラだと思ったし、
あのとき、離陸していったこの曲のイメージを信じているからかもしれない。
たとえばバカげた戦いでも、この夏は頑張らせてほしい。

いまや音楽が生まれたその姿で人に届くなんて奇跡でしかない。
ほとんどの場合、音楽はSNSのオマケや、話題作りの道具だったりもする。
それは健全だ。
それが悪いとは思わないし、みんなにも自分の音楽にもそんな時代を楽しんでサーフしていってほしいけど、
「歌が出来たから、いろいろと越えて届くから、聴いてくれ」
っていうスタート地点をなぜかおれは忘れることができない。
今、そういう歌が残せたら良いな。



・レコーディングのはなし(難しい話だなーと思ったらここは飛ばしても可)

iPhoneImage.png

今回のシングルのレコーディングセッションは、冬にやった。
川越にある一件家を改造した、ガレージみたいな最高のスタジオで録音した。
壁にでかい絵が飾ってあって、床には派手な絨毯、周りを見渡せば見たこともないような機材がゴロゴロ。
ちょうどボブディランが地下室で録音したベースメントテープスや、クラッシュがガレージで録音したロンドンコーリングのデモ盤がイメージにあった。
あれってアンプが鳴ってるとか以前に、部屋や家が鳴ってるんだと思うんだよ。
そして小学生のクリスマスプレゼントのように念願だった60〜70年代のアナログテープ機材での録音。
エンジニア・加納さんのこだわりのコンプも卓もアナログだ!
この曲を加納さんは気にいってくれて「スタジオのテーマソングにするよ」とメールをくれた。このスタジオで録れたのが本当に良かったと思った。そんなところからマジックは始まってた気がする。
それをツールスを通してデータ化して家に持って帰って、今回もミックスは自宅でやった(年始の会場限定シングルも同じ要領だ)。何度も偏頭痛になった。
それを三鷹にあるまきおくんのスタジオに持ち込んで、最後の調整とマスタリング。
自分の中には理想の音というのがやっぱり未だにあって、自分たちの技量や知識が足りないのもあって、そこに近づくことが出来ないもどかしさが常にあるけど、この三つ巴レコーディングでもう一歩進めた。これを「2015夏の大三角形」と呼ぼう。

結局、ルールなんて無いってことなんだ。
普通は1つのスタジオで作業を完結させるのが基本だし、2人のエンジニアを股にかけてアーティストがでしゃばってミックスまでやるのは失礼だという考え方も音楽業界的にはあるかも、こんなイレギュラーなやり方、無駄だー!と言われることもありえると思うけど、
もうそういう「業界の常識」は本当に瓦解してて、全部のバンドが少しずつ違うやり方をしてなくちゃ不自然なくらいだ。
なぜって、もう人対人の話だからさ。
加納さんとまきおくん、それを良しとしてくれて最高の技術で手伝ってくれた2人のエンジニア氏に心から感謝してます。

↓ここがレコーディングしたGO GO KING STUDIO。




・カップリング曲について

今回、新曲は『new music from big pink』だけ。
ここは、ぼやけさせたくなかった。
その分、カップリングでは超遊んでます。
まず、蜜の木村ウニが歌う『ドアたち』という最大級の珍品が収録。
これはオワリカラが公開実験を行う「真昼の実験惑星」というイベントで行った木村とのセッションが良かったので、ぜひ音源化を、という(自分の)声にお応えして待望の音源化!
全俺が待っていた!(お客も待っていたと信じたい!)
これが良いのです、木村のハスキーかつ年齢不詳な歌声が、オワリカラの無理矢理サマーバージョンなドアたちに乗っかったシュールかつポップな感じが。

もう一曲、鍵盤カメダタクがリミックスした『new music from big pink(KAMEDA TAKU CANADA REMIX)』が収録。
その名のとおり、カメタクがカナダツアー中にカナダの風を受けながらリミックス。
みんながカナダの街で遊んでいる時も、ホテルで黙々とリミックスしたカメタクの涙のリミックスです。
オワリカラのライブではこんな風に



物理法則を無視してアクロバティックな演奏をするカメタクだけど、打ち込み関係の知識も豊富で、緻密でドープなリミックスに仕上げてくれた。
オワリカラのメンバーは、カメタクは打ち込みアレンジャーできるし、カワノくんはセッションドラマーできるだけの技術があるし、ツダ巨匠は酒に強くて飲み屋に良くいる。
おれは漫画と特撮が好き。

・最後にアートワークについて

今回のシングルのアートワークは、渋谷モンパルナスと合わせて中村遼さんの仕事。
科楽特奏隊のリョウヒデキお兄さんとしても一世を風靡しつつあるお兄さんですがそもそも僕の実際の先輩だったりして(この「先輩!」っていう文化、外人から見るとすごい面白いらしいね)、細かい所まで汲んでくれた。
「この近くで見ると渦巻きに飲み込まれてボヤけてくる」というちょっとした錯視を利用したジャケは、バンドのイメージをも表現してくれたと思います。
このジャケがアナログ盤になったら良いだろうな。
このシングル売れたらアナログ盤も作れるから、買ってください。


追記、
長々とありがとう。
ここまで読んで気づいた人もいると思う、「この曲の内容に関する話」がぜんぜん無いことに。
昔からオワリカラを知ってる初代マネージャーに酔っぱらって「もうヒョウリが歌うことは全部この曲の中にあるよね〜」と言われた。
酔っぱらってないおれは「そんなわけあるかい!わしはこれからじゃい!」となぜか方言で言ったけど。
でもたしかにこの曲に何かがあるなら、それはストレートに曲と歌詞の中にある。
この曲は特別にそういう曲になって、
そうして、伝わったすべてが正解だと言える曲だ。


”new music from big pink
心臓をつきやぶり ジャンボジェットが 離陸する
おれの想い 夜を越えて お前の街へ”

届く日は8・26。



金田一耕助の帰還

・吉祥寺バウスシアター閉館イベントから、もう一本
『金田一耕助の帰還』のライブ映像が見れるようになりました。

VJ sa-ya 撮影編集 753デーズ


実は名探偵・金田一耕助さんって、「病院坂の首くくりの家」という若い頃に解決できなかった事件を長年を経て解決したのを最後に、アメリカにわたって行方知れず!という設定
そこからどうなったのかは謎で、密かに晩年は日本に帰ってきて、どこかで余生を送ったとのこと。
そういう謎が多いところも金田一の好きなところなんだけど、その金田一がもし「現代のダンスフロアに帰ってきたら?」というイメージで作った曲。
歌詞は金田一シリーズの作品名から取ったりしてる。
金田一って完全に変態男だ。
殺人事件の謎解き以外に興奮できない。
でっかい謎を解いたあとは、謎がなくなっちゃったあまりの喪失感に「傷心旅行」に出かけちゃうんだぜ。
殺人事件に恋してるんだよ。
生きがいになってる。
犯人よりもヤバイところにいる。
だから、もし現代にとんでもなくミステリアスなことが起きたら、それは地獄の底からでもよみがえって帰ってくると思うのよ。
これは金田一を帰還させるための召還儀式のBGM、謎にあわせて皆で陶酔してゆるいダンスを踊って彼の帰還を待つんだ。

まぁでもそんな難しい妄想はおいておいて、踊ってくれればOKさ。
この日は、ファズに本当に悪魔が降りてきてね。
踏んだ瞬間、すごい音が出たのだ。


サイハテブログ1

サイハテソングがあるならサイハテブログもあるはずだ。
サイハテ帰宅も、サイハテ愛撫も、サイハテクックも、あるはずだ。
要するに、行き場所はわからなくとも動く、その動体としての意思に名づけたから。





クアトロワンマンありがとう。
曲と、バンドと、あなたが、ぎこちなくも美しい三角形を描いたと思う。
あらゆる意味で、最高のツアーファイナルだった。

そしてアルバムリリース発表。
2/26、『サイハテ・ソングス』
ここにある曲は、すべてがこのアルバムを背負って立てる曲だ。
とても強い子が生まれた。
荒波にもまれるだろう。
ここには不穏なエネルギーがまずあり、打破しようというエネルギーがそれを覆いつくす。
渇望と解放という、ネガポジ二つのエネルギーのせめぎあいだ。
自らを限定することでパッケージングを引き寄せる現在の日本のロックの様式を超えて自由の地平に旅に出たい、もっともビビッドな中庸なる大地、新大陸を目指せた。
時間とスタッフの存在も大きい。
最高傑作を届けるので、信じて待っててほしい。



今回の写真は、中野敬久氏。
方々で言っているが、すばらしい経験だった。
素材としての自分を、丸投げしても良い「どうにでもして〜(ハート)」という気分にさせてくれた。


さてさて、今さっきまでワンマンの録音を聴いていた。
今回は自分たちでできる範囲で、ちゃんとしたライブレコーディングをしてみたので軽くミックスして。
かっこいいじゃないか。
良い音だ。
そしてもっと良くなる余地がたくさんあるのもわかるのが嬉しい。
もっとうまくなるだろ〜(楽観的な観測)
歌は早急にもっと良くなりたい

僕が最高と言うのに偽りは無く、確実に変化し良くなり続けているから最高と言う。
自分の居場所は、過去にはなく、ここにも無い。未来にのみ。
とにかく攻め続け、信じてくれれば、裏切らない。

サイハテソングよろしくね。
勢いで予約しても損させないよ
さー、やるぞ!


踊るロールシャッハ



オワリカラ『踊るロールシャッハ』、本日発売しました。
ここまでいろいろと長かった、待たせた。
もう買った、という人はありがとう。

ビデオなどについてはここ
とかにいろいろ書いてます。

何かを感じたら、ついてきてね。
その何かは、どんどん大きく、孤高に、普遍的になる。

『踊るロールシャッハ』、よろしくどうぞ

あとはとにかく、ライブで生身で会えたら良いね


※タワレコオンライン通販取り扱い分は完売した模様。
取り扱い再開したらアナウンスします。
なので、まだの人はお店へGO
ここで店舗の取り扱いが確認できるから、近所の店の在庫をチェック可能!

シャッハッハ!

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