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I君の思い出ぁ腺彪の登下校〜

I君、中学校にて。四回目。

I君は小中学生時代の僕にとって生きたエンターテイメントであった。意味不明のB級カルトムービーのような存在であった。皆が彼の珍奇な行動に目を背けるにつれ、僕は彼の行動に注視していったのだ。

ある日僕は彼に、自分は若ハゲの気があり、抜け毛が多いという旨のことを告げられた。差し伸べるべき手をまったく持ちあわせていなかった僕は、特に何も言わなかった。言ったとしても記憶にない。

それから数日して、僕は下校中のI君が何かのビンの液体を頭にふりかけながら歩いているのを目撃した。内心「まさか」と思いつつ、彼に歩み寄り真相を尋ねた。

「育毛剤さ」

彼はすごく誇らしげだった。それから毎日の登下校時、彼は育毛に余念がなかった。育毛剤を注し「ながら」登校し、育毛剤を注し「ながら」下校していた。誰も見ていない道でもかれの育毛剤をふる手は止まらなかった。僕はそれを奇妙な気持ちで眺めていた。

惜しむらくは、彼の熱意に反比例して、毛髪が凄まじいスピードで後退していったことだけが不憫でならない。

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