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よしむらひらく&タカハシヒョウリ対談 後編・湯加減



わりともうすぐやってくる3/5のレコ発に向けて、よしむらといろいろ話してきました。
対談といえば、対談というヤツです。
よくラーメン食べながら無駄話をしている2人が、お互いのこととか、活動のこととか、意外とちゃんと、ざっくばらんに話してます。
ボリュームあるので、続きを読むからどうぞ。

そしてよしむら『井の頭EP』との、ダブルレコ発の詳細はこちら!
スペシャルバンド『タカハシヒョウリとブルーたち』が演奏する特別な夜です。
この日から『ブルーたち』は始まります。

○2013.3.5(火) 下北沢SHELTER
よしむらひらく&タカハシヒョウリ Wレコ発イベント
[出演]
よしむらひらく / タカハシヒョウリ
※来場者特典、北海道?みやげあり!!
[時間] 開場18:30 / 開演19:00
[料金] 前売¥2,000 / 当日¥2,300(1D別)
[チケット]
e+, ローソン(79255), SHELTER店頭, 出演者メール予約
[問い合わせ]
下北沢SHELTER tel:03-3466-7430
※メール予約はこちらへ→owarikara@hotmail.co.jp

まずは前編はよしむらのブログにて公開中。
ここで読めます。
そして3/5の特典として、この対談+αの完全版の冊子をオマケに配ります。
この夜、いろいろ楽しめると思うので、遊びに来てほしい。よろしくどうぞ!

では、こっから二人の会話の後編スタート。



よしむらひらく&タカハシヒョウリ対談

後編:湯加減

よしむら:「8月のブルー」って、去年だよね?
タカハシ:「8月のブルー」は二年前だよ。
よしむら:一昨年?そうだっけ?…今回、流れで聞いてあの曲がすげえいいなと思った。
タカハシ:あの曲は自然だよね。いい曲っていうか、メロディーも別に、いいとかそういう話じゃないよね。すごいいいムードだよね。
よしむら:ああ。あれがあって、ようやくこう、(アルバムに向けて)動きだしたんだろうなって。
タカハシ:そだね。だから、「8月のブルー」がなかったらもっと素早く頓挫してたよね。
よしむら:それか素早く完成してたかね。
タカハシ:「8月のブルー」ができて、「あ、これもうちょっといけんじゃね?」みたいな感じがあって。そうだね、けっこうあれスタートって感じはあるね。
よしむら:あれはなんか、前にアップしてたバージョンと変わってるんだっけ。
タカハシ:まあミックスと、あとマスタリングしてるからね。内容は変わってない。
よしむら:あのアップされてたの聞いて、すごい「作りかけ感」があったんだけど、今回流れで聞いて、全体にもう「作りかけ感」があったから(笑)、逆に自然に、完成してるって感じられる。
タカハシ:あれはもうレコーディングの三分の一ぐらいiPhoneだからね。リズムも打ち込みじゃないから。iPhoneでドッ、パッ(笑)。左右で鳴ってる音は、あれiPhone。
よしむら:そうなんだ(笑)。あれいいじゃん、じゃあiPhoneいいじゃん。
タカハシ:iPhoneとかMTRとかそういう…ローテク、まあハイテクなんだけどさ、まあある種のローテク的なものでやりたいってのが元々あったんだよね。
よしむら:ああ。でもなんかそれ先行しちゃうとさ、ださいじゃん。「iPhoneでやったんですぅ〜」みたいな。
タカハシ:先行しちゃってるけどね(笑)。
よしむら:(笑)…でもそれが、完成してものになって聞いた時の説得力っていうか、それはすごい感じた。理由があってこうなったんだなって。
タカハシ:そうだね。まあ元々は無精なんだけどね。ほんとにただ、「マイク用意すんのめんどくせえ」「これでいけんじゃねえの」と思って。したら意外といいんだよね。
よしむら:それがよかったから結局それを使ったわけじゃん。そこに意味はあったって感じはすごいしたんだよね。
タカハシ:スティーブジョブスすげえなと思ったまじで。すごいちょうどいいコンプ感で。…MTRもさあ、変えちゃうと音が変わっちゃうじゃん。
よしむら:うん。
タカハシ:だからおれ10年間ずっと同じMTRだけど…もう、もろ「8月のブルー」のアコギとか歌の感じは、iPhoneとMTRの音だよね。リバーブとかも全部MTR上でやってるし。そうじゃないと出ない感じがすげえあんだよなあ。
よしむら:うん。おれも最近自分のMTR時代の音源聞いて、「すげえいいなあ」と思うんだよね。
タカハシ:すげえいいんだよね。一般的にいう尺度でよくはないんだろうけどね。ハイ落ちしてるしさ。
よしむら:うん。でもハイの落ち方がすげえいい。
 
 

 
 
タカハシ:平坦なコードに平坦なメロディーのトリップ感と言ったらね。やってる側の楽しさと言ったら半端じゃないよね。
よしむら:うん。まあね…人はそういうの好きじゃないよね、大概ね。難しいよね。
タカハシ:まあね…でもまあ、いいじゃないすか。たまにそういうのですごいいい曲あったりすんだよね。
よしむら:めっちゃあるけど。めっちゃあるし、おれの曲全部そうだけど。平坦なコードに平坦なメロディーしかないけど。おれはだから…ダメだなあ、もっとサービス精神…
タカハシ:サービス精神ねえ…
よしむら:獲得しないとな。
タカハシ:サービス精神ほぼ無いよ。今。
よしむら:まあだから自然にやることやれるようになったってことじゃないの。
タカハシ:いや、やっぱこう…お伺いを立ててるようじゃさ、ダメじゃん。自分がほんとにこれだなって思うものだったらやっぱり人はついてくるっていう。そう考えるしかないよね。
よしむら:うん。まあでも一回さ、この二年なり三年間くらいを、割とちゃんとサービス精神ありでやってきてさ、その上でのことでしょ。
タカハシ:まあそうだね。でもサービス精神ていうかさ、普遍性つったらあれだけど、ポピュラリティは、音楽として絶対あったほうがいいしさ。それはもちろんそうなんだけど…なんかいつの間にか作ってる人がすり替わってるような感じってあるじゃん。自分じゃないものに作らされたかのような、
よしむら:あーあー。あるね。
タカハシ:いい意味で自分じゃないものに作らされてる時もあると思うんだけど、無意識の中から出て来たっていう意味でもさ。でもそうじゃなくて小手先の、自分じゃないものにつくらされるっていうことも多分あると思うんだよね。それは音楽に限らずどんなものを作ってる人でもあると思うんだけど。
よしむら:人付き合いとかでもね、あるよね。
タカハシ:だけど…やっぱそれは違うよね。
よしむら:んー。でもやっぱそれはある程度必要なスキルっていうこともできると思うけどね。そういう目を作品に入れて、じゃあ自分はどこで主張しようかっていう駆け引きは、毎回してるけどね。
タカハシ:確かにそうなんだけどさ、おれらってさ、普通じゃん。普通の人じゃん。それに、すげえポップな音楽が好きじゃん。おれたちの好きなものって別にさ、なんていうか例えばアングラで五人だけが好きな伝説のバンド、じゃないじゃん。ってことはさ、おれらの持ってる価値観てたぶんみんなと一緒だと思うんだよ。
よしむら:そう変わらないはずだよね。
タカハシ:ってことは、おれがすごい好きなものはみんなすごい好きなはずなんだよ。ていう。
よしむら:それはさ、恐らくおれの場合でも真理であって、ただおれの場合は、それを信じる力が弱いっていうか。ヒョウリはさ、そりゃ二ヶ月後はわかんないけど、でも少なくともその瞬間信じるエネルギーはさ、純度が高いじゃん。一回こうだと思ったら。
タカハシ:それは別によしむらもそうじゃないの。
よしむら:や、おれそんなことないんすよ。
タカハシ:どっちかっつとよしむらの方が高いイメージだけどな。
よしむら:結果的にそういう風に演出はできてるのかもしんないけど、最終的に、外に出る段階では。やってる音楽自体がそういう風だってのはあるけど。
タカハシ:うん。単純に自分視点で思うんだよね。なんか…
よしむら:いや、人とわかり合えないことが多過ぎて。
タカハシ:まあ人とはわかり合えないけどなあ…でもさ、単純に、自分が見てたい音楽、自分が好きになる音楽ってさ…なんていうんだろうな…今でこそいろんな音楽の聞き方ができるようになったじゃん。ポップスとかでも、すごいいいコード進行だなとかさ。歌めっちゃうまいなとか。でも16ぐらいの時ってさ、そんなんありえないじゃん。そうじゃなくてニルヴァーナとかブランキーとか好きでさ、この人ら嘘なくやってるからかっこいいっていう気持ちじゃん。結局んとこやっぱそれだよね、っていう意味では、お伺いを立ててる感じっていうのではない動機ってのはあるじゃん。スタートした地点で。
よしむら:うん。や、でもやっぱり、そのお伺いを立てなきゃやれねーなっていう自然さが、過去にあったわけじゃん。そういう自然な成り行きが。そういうファクターが絶対どっかにあって、ということはやっぱり自分が周りからずれてるなって痛感させられる時期が絶対あったんだと思うんだよね。
タカハシ:まあそれはあったね。
よしむら:で、おれは今がそうだね。未だに。
タカハシ:それは明らかにずれてんだけど…ほんとの奥底の部分は共有してる、っていうことにしよう、みたいな(笑)。
よしむら:(笑)…そこがさ、ヒョウリはすごい強いと思うんだよね。それは憧れるんだよね。
タカハシ:いやいやいや、それは絶対お前もあるって。だって無かったらさ、
よしむら:あるけど、なんだろな、確信したあとに、もう一回疑いの目を入れちゃう。
タカハシ:もちろんそうだよ。…それをポジティブネガティブに分けるのもあれだけど、ポジティブが一番外にあるとすんじゃん、人に対して音楽を出す、ってさ。その次の層ってのは絶対ネガティブじゃん。「多分わかってもらえねえだろうなあ」とかさ、社会になじめない、っていうさ。
よしむら:うん。
タカハシ:だけどさ、さらにもういっこ内側に、普遍的なポジティブさがないと多分…
よしむら:それは、ある。おれはすごいそれを信じてるけど、それを…恥ずかしいのかな、それを信じ込むことが。だから結局は自分に自信がそこまで持てないんだろうね。
タカハシ:それはおれもそうだよ。それはまあみんなそうだわ。
よしむら:だからその存在はわかってるけど…そのポジティブの層があってネガティブがあって、その、通底する…大地のリズムが、ボボンガがあって、クロノトリガーでいうところの。…違うな今の(笑)。さらにその下に、「やっぱりダメなんじゃないの?」みたいなさ(笑)。
タカハシ:いやでもその下にさらにあるはずだよ。魂の(笑)、リズムが(笑)。
よしむら:(笑)。大地よりもさらに下に(笑)。
タカハシ:そうそう。宇宙のリズムとかさ(笑)。
よしむら:そうだよね、星のリズムとかね。
タカハシ:だから、通底してるもの、ってのがまずありきで、瞬間を切り取るしかないよね、そうなると。
よしむら:そういうものに対して、自分をグランディングするっていうかさ、自分がそういうものの代表としてそれを表現する、その大地のリズムを表現する者になるっていう…そういう天才っているじゃん。すげえ素直にさ、パって。
タカハシ:生まれながらにそういうものを感じられる人がね。
よしむら:おれは自分がそうじゃない、ってことを多分意識しすぎてて。なんかこう、「いやこれおれがやってもダメっしょ…」みたいなさ。思っちゃうんすよね。
タカハシ:それはまあ、一緒だけどね。おれも別に宇宙が、っていう気はないんだけどさ。
よしむら:うん…もちろん信じてはいる。それは多分、すごく信じてる。
タカハシ:まあだけど…真の意味でもう、おれとかはいわゆる一般的な大衆型のとは音楽の趣味は元々そんなにマッチングしなかったけど、JPOPとかも別にそんな聞いてないしさ、だけど…まあいるじゃん、学年に五人ぐらいかな、なんかそういうものにぐっとくる存在っていうか。だから別に、万人に共通してって意味では必ずしもないんだけど。そういう意味でポジティブな存在っていうか。いまもうサブカルっていうとかなり定型化してるけど、そうじゃないサブカルチャーっていうかね。分かりづらいだろうな…要するに売りづらいとは思うけど。
よしむら:なんだろ、でもさ。「新しいものを提出したい」っていう思いはあるよ。バランス?塩梅か。「新しい塩梅」とかってことになってくると思うんだけど。まったく新しいもの、じゃなくて。
タカハシ:それはいいね。確かにそれはわかるわ。
よしむら:うん。おれが思ってるのは、ただ、今まであったものを混ぜてバランスを変えてるだけなのかもしんないけど、でもそれが「今の、新しさ」だと思うし、それはおれが、自分がやりたいって思う数少ないことだね。こんだけ音楽があって…
タカハシ:温度感だよね。湯加減っつううか。
よしむら:うん。この湯加減と、この色、みたいな。「この組み合わせなかったでしょ」みたいなのは、やりたいものとしてあるね。
タカハシ:それはすばらしいね。
よしむら:でもやっぱり、そういう意味での新しさすら、受け入れられがたいと思うんだよね、相当トリッキーなことをやんないと。でもそれをトリッキーにじゃなくて、素直にやったらこうなったんです、っていう、正直さに背反しないままで、新しいものを提出したいっていうか。そういう思いはすごいある。
タカハシ:それいいね。それ明日の取材で言お。
よしむら:(笑)…そういうことだと思うんだよな。ほんとに。そういう意味での、塩梅を独自なものにしつつ、クオリティを上げて、強度を上げていって、いい音楽にして、出すっていう。…で、その全体に対する、自分でやってることに対する冷静さっていうか、客観性みたいなものが、オワリカラのやってることとよしむらのやってることは近い気がする。
タカハシ:なるほどな。
よしむら:まったく違うことをやってるけど、これとこれを混ぜてっていう、そういう言い方にするとすげえ陳腐だけど、こういうバランスで、おれはこういうテンションでやりたいっていう、そのアティチュードは、おれとヒョウリはすごい近い気がする。
タカハシ:確かにその、新しいバランスっていうのはほんとにそうかもね。それは言い得て妙だなあ。
よしむら:だってさ、「自分が一番になれる!」とかさ、思わないじゃん。
タカハシ:まあね。それはそうだね。
よしむら:だけど、ある程度まともだぜ、っていう…すごく平凡なまともさの中で、特に不自由なく育って、でも別に満足してるわけじゃないよっていう。
タカハシ:そうだね。
よしむら:なんか、こっちから歩み寄らなきゃどうしようもない、っていう諦めと…じゃあその上で、「おれちょっと新しいことやってやんよ」みたいな気概っていうか、そういうところにかけてる、っていう気はすんだよね。
タカハシ:…なるほど。
よしむら:しかもその手応えは、掴み始めてる。気がする。
タカハシ:なるほどね。
よしむら:どうすか今後のソロとしての展望は。
タカハシ:いや早く次のやつ作りたいっすよ。ほんとに。僕としては。
よしむら:(笑)
タカハシ:もう五枚分ぐらいはタイトル案があるんで。アルバムのタイトル案が。
よしむら:(笑)
タカハシ:そうだね、まあ…来年までで三枚…
よしむら:じゃあ年内で一枚、来年アタマにまた出して…
タカハシ:まあまあ、余裕だろうね。
よしむら:で来年末にまた一枚。でその間にオワリカラも二枚、フルアルバムと。
タカハシ:あと科特隊も一枚と。
ウェイターの方:すいません、閉店のお時間となります…
 

冊子のエンディングへつづく・・・



よしむらひらく
1987石川県うまれ。東京在住。
2012年9月に草野マサムネ(スピッツ)や松本素生(GOING UNDER GROUND)から絶賛を受けた「2012EP」、2013年1月に自身の真骨頂というべき「井の頭EP」の連作となる二枚のEPをリリース。
 
オフィシャルサイト:http://d.hatena.ne.jp/hrkysmr/



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