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ニューシングル『new music from big pink』について

8/26にリリースのオワリカラのシングルについて。



・”new music from big pink”の話

”new music from big pink”を、オワリカラのライブに来てくれている人は聴いたことがあるかもしれない。
いつも、ガっっっっっっっっっとやってめちゃくちゃになったステージを立て直してから、最後に演奏しているあの曲。
いつもその前の部分でライブが終わったと思って、サーキットだと帰る人がいたり、つくばロックフェスでは転換DJが始まっちゃった笑。
でも、この曲が出来てからずっとライブの最後に演奏し続けてきた。
2015年上半期、セットリストからはずすことはほとんど無かったのは、
「良い曲だ〜」という自信と「大事な曲になる」という確信があったからだと思う。
この曲が出来た夜、歌が、曲が、言葉が、アスファルトを離陸してまっすぐに飛んでいくところがイメージできた。
あの時、北北西の空はクリアだった。

この曲は、バンドマンにもリアクションや人気がある曲だったりする。
けど、「良い曲で大好きだけど、売れないと思う」と言われたりもする笑。
いやいや、おれはそうは思わないけど、たしかにこの曲は「音楽を求める人」に響く曲なのかもしれない。
でも逆を言えば、音楽を求める人「全員」に響くと思う。
だから、シングルにしよう。
今回はタワーレコード限定シングルで出せることになったけど、ありえないくらい何も決まって無い、自由すぎる状況で作った。
それはつまり全部自分でやっていく世界で、音源制作から、誰にジャケを頼み、誰にPVを頼むかもバンドの人脈で、そのやりとりも自分たちで進めている(各所に迷惑かけてたらすいません)。
今更なDIYアピールをしたいのではない。
そういう自由なタイミングでやれるなら、やっぱりこの夏、この曲を出したかった。
理由は言葉にすると正直難しくなるけど、
これがオワリカラだと思ったし、
あのとき、離陸していったこの曲のイメージを信じているからかもしれない。
たとえばバカげた戦いでも、この夏は頑張らせてほしい。

いまや音楽が生まれたその姿で人に届くなんて奇跡でしかない。
ほとんどの場合、音楽はSNSのオマケや、話題作りの道具だったりもする。
それは健全だ。
それが悪いとは思わないし、みんなにも自分の音楽にもそんな時代を楽しんでサーフしていってほしいけど、
「歌が出来たから、いろいろと越えて届くから、聴いてくれ」
っていうスタート地点をなぜかおれは忘れることができない。
今、そういう歌が残せたら良いな。



・レコーディングのはなし(難しい話だなーと思ったらここは飛ばしても可)

iPhoneImage.png

今回のシングルのレコーディングセッションは、冬にやった。
川越にある一件家を改造した、ガレージみたいな最高のスタジオで録音した。
壁にでかい絵が飾ってあって、床には派手な絨毯、周りを見渡せば見たこともないような機材がゴロゴロ。
ちょうどボブディランが地下室で録音したベースメントテープスや、クラッシュがガレージで録音したロンドンコーリングのデモ盤がイメージにあった。
あれってアンプが鳴ってるとか以前に、部屋や家が鳴ってるんだと思うんだよ。
そして小学生のクリスマスプレゼントのように念願だった60〜70年代のアナログテープ機材での録音。
エンジニア・加納さんのこだわりのコンプも卓もアナログだ!
この曲を加納さんは気にいってくれて「スタジオのテーマソングにするよ」とメールをくれた。このスタジオで録れたのが本当に良かったと思った。そんなところからマジックは始まってた気がする。
それをツールスを通してデータ化して家に持って帰って、今回もミックスは自宅でやった(年始の会場限定シングルも同じ要領だ)。何度も偏頭痛になった。
それを三鷹にあるまきおくんのスタジオに持ち込んで、最後の調整とマスタリング。
自分の中には理想の音というのがやっぱり未だにあって、自分たちの技量や知識が足りないのもあって、そこに近づくことが出来ないもどかしさが常にあるけど、この三つ巴レコーディングでもう一歩進めた。これを「2015夏の大三角形」と呼ぼう。

結局、ルールなんて無いってことなんだ。
普通は1つのスタジオで作業を完結させるのが基本だし、2人のエンジニアを股にかけてアーティストがでしゃばってミックスまでやるのは失礼だという考え方も音楽業界的にはあるかも、こんなイレギュラーなやり方、無駄だー!と言われることもありえると思うけど、
もうそういう「業界の常識」は本当に瓦解してて、全部のバンドが少しずつ違うやり方をしてなくちゃ不自然なくらいだ。
なぜって、もう人対人の話だからさ。
加納さんとまきおくん、それを良しとしてくれて最高の技術で手伝ってくれた2人のエンジニア氏に心から感謝してます。

↓ここがレコーディングしたGO GO KING STUDIO。




・カップリング曲について

今回、新曲は『new music from big pink』だけ。
ここは、ぼやけさせたくなかった。
その分、カップリングでは超遊んでます。
まず、蜜の木村ウニが歌う『ドアたち』という最大級の珍品が収録。
これはオワリカラが公開実験を行う「真昼の実験惑星」というイベントで行った木村とのセッションが良かったので、ぜひ音源化を、という(自分の)声にお応えして待望の音源化!
全俺が待っていた!(お客も待っていたと信じたい!)
これが良いのです、木村のハスキーかつ年齢不詳な歌声が、オワリカラの無理矢理サマーバージョンなドアたちに乗っかったシュールかつポップな感じが。

もう一曲、鍵盤カメダタクがリミックスした『new music from big pink(KAMEDA TAKU CANADA REMIX)』が収録。
その名のとおり、カメタクがカナダツアー中にカナダの風を受けながらリミックス。
みんながカナダの街で遊んでいる時も、ホテルで黙々とリミックスしたカメタクの涙のリミックスです。
オワリカラのライブではこんな風に



物理法則を無視してアクロバティックな演奏をするカメタクだけど、打ち込み関係の知識も豊富で、緻密でドープなリミックスに仕上げてくれた。
オワリカラのメンバーは、カメタクは打ち込みアレンジャーできるし、カワノくんはセッションドラマーできるだけの技術があるし、ツダ巨匠は酒に強くて飲み屋に良くいる。
おれは漫画と特撮が好き。

・最後にアートワークについて

今回のシングルのアートワークは、渋谷モンパルナスと合わせて中村遼さんの仕事。
科楽特奏隊のリョウヒデキお兄さんとしても一世を風靡しつつあるお兄さんですがそもそも僕の実際の先輩だったりして(この「先輩!」っていう文化、外人から見るとすごい面白いらしいね)、細かい所まで汲んでくれた。
「この近くで見ると渦巻きに飲み込まれてボヤけてくる」というちょっとした錯視を利用したジャケは、バンドのイメージをも表現してくれたと思います。
このジャケがアナログ盤になったら良いだろうな。
このシングル売れたらアナログ盤も作れるから、買ってください。


追記、
長々とありがとう。
ここまで読んで気づいた人もいると思う、「この曲の内容に関する話」がぜんぜん無いことに。
昔からオワリカラを知ってる初代マネージャーに酔っぱらって「もうヒョウリが歌うことは全部この曲の中にあるよね〜」と言われた。
酔っぱらってないおれは「そんなわけあるかい!わしはこれからじゃい!」となぜか方言で言ったけど。
でもたしかにこの曲に何かがあるなら、それはストレートに曲と歌詞の中にある。
この曲は特別にそういう曲になって、
そうして、伝わったすべてが正解だと言える曲だ。


”new music from big pink
心臓をつきやぶり ジャンボジェットが 離陸する
おれの想い 夜を越えて お前の街へ”

届く日は8・26。



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