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平成ガメラとMTG(マジック:ザ・ギャザリング)の奇妙な関係

先日、ちょっぴりあたまのおかしいオールナイト興行に定評のある池袋新文芸坐で、昭和ガメラオールナイト4本立てを見てきた。
1965年の第1作目『大怪獣ガメラ』から『対バルゴン』『対ギャオス』『対バイラス(90分版)』というラインナップで、いまさっき『バルゴン』『ギャオス』で見たばかりの特撮シーンが『バイラス』で20分間まるまるバンク(使い回し)されるという素敵な内容だった。
しかし上映は思いの外満員で、「ガメラを4本続けて見てぇ!」という欲望を隠し持って生きている人の多さに驚かされた。
しかも、現在TOKYO MX2では平成ガメラが毎週放送されている。
もしかしたらガメラブームが来てるのかもしれない。
そんな局地的ガメラフィーバーに合わせて、ちょっと昔からガメラについて書きたいことがあったので書いおこうと思う。
そもそもどこかにコラムとして寄稿したいなーと思っていたのだが、冷静になると、こんなこと掲載させてくれるところ多分無い。
じゃあ良いよ!勝手にやるよ!



ガメラといえば、自分の世代的には平成ガメラ三部作だ。
95〜99年に公開されたこのシリーズは、アナログ技術を使った特撮怪獣映画の一つの到達点といえる。
その魅力の三大要素をあげるなら、『シン・ゴジラ』でもその名を轟かせた樋口真嗣監督による超クオリティの特撮、金子修介監督によるリアルで重厚な演出、そして伊藤和典氏によるSFマインド・ファンタジーテイストにあふれた脚本だ。
特に伊藤氏による脚本は、「古代アトランティス大陸にいたらしい、なんかデカイ亀」という昭和ガメラのぼんやりした出自を、「実は超古代文明によって作られた生物兵器だった!」というかっこよすぎる設定にしたことで作品の方向性を決定付けた(ちなみに平成ガメラの世界にはフツーの亀は存在しないという裏設定がある)。
そんな伊藤氏だが、ガメラの制作当時「とあるもの」にハマっていて、その片鱗が平成ガメラの隅々に現れている、というのが一部のファンの間で知られている。
さて、ここでやっと本題だが、…皆さんは『MTG(マジック:ザ・ギャザリング)』を知っているだろうか。

今、そっとブラウザを閉じる音が世界中から聞こえてきたんだ。
「ガメラも知らないのに、そのうえまたMTGの話題かよ、知らないの二乗だよ!」という声も聞こえてきそうですが、今日に関しては帰るの許す!
良いよ!勝手にやるよ!

そう、平成ガメラの中には、世界最古のトレーディングカードゲームであるMTGへのリスペクトが散見されるのだ。
伊藤氏のインタビュー記事が載ったMTG専門誌も発見できたので、MTGと平成ガメラの間にあるミッシングリンクをここに記していきます。



平成ガメラ3部作の中で、MTGの影響が色濃く感じられるのは、第三作目『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』である。
伊藤氏がMTGに本格的にハマったのは、はじめて日本語版が発売された「第4版」というシリーズの頃からだとMTG専門誌のインタビューで答えている。
この第4版(日本語版)が発売されたのは96年の春なので、99年に公開された『ガメラ3』の制作時にはMTGにハマっていたとすると時系列的に一致する。
逆に、95年96年に公開された1作目、2作目に関してはMTGの影響がほとんど無いだろう、ということも言える。
いくつかある平成ガメラとMTGのリンクの中でもっとも具体的なのは、「Nevinyrral’s Disk」だ。


※NevinyrralのDisk

『ガメラ3 邪神覚醒』の劇中には、とあるCD-ROMのシミュレーションゲームが登場する。
PC画面上に表示されるこのソフトの名前が「Nevinyrral」で、これはMTGのカード名「ネビニラルの円盤」から取られている。



このカードの効果は「すべてのクリーチャーとアーティファクトとエンチャントを破壊する」、要するに大体全部をぶっ壊す豪快なカードなのだが、これを環境破壊シミュレーションソフトの名前に使っているのだ。
さらに、この「Nevinyrral」は、そもそも「Larry Niven(ラリー・ニーヴン)」のアナグラムだ(MTGwikiより)。
ラリー・ニーヴンはSFファンタジー作家で、『魔法の国が消えていく』などで魔法の力を有限のものとしてロジカルに表現した「マナ」の概念を作り、MTGの「数値化されたマナを使って魔法を唱える」というシステムに大きな影響を与えた。
平成ガメラの世界にも「マナ」の概念は登場し、第二作目でガメラが地球上のエネルギー・マナを集めてプラズマに変え強敵・レギオンを撃退したため(いわゆる元気玉)、枯渇したマナの影響で『ガメラ3』に登場するイリスやハイパーギャオスが覚醒してしまったという流れがある。
伊藤氏は、「Nevinyrral’s Disk」と名付けることで、MTG、さらにその元ネタであるラリー・ニーヴンの『魔法の国が消えていく』に敬意を捧げたのだと語っている。

MTG専門誌でのインタビューでもうひとつ興味深いのは、怪獣のデザインにもMTGの影響が伺えることだ。
伊藤氏は、『ガメラ3』に登場する異形の怪獣・イリスのデザインソースとして「”またたくスピリット”みたいのがいい」と樋口監督に伝えたという。
それも、「アイスエイジ」に登場するデザインだと指定したようだ。
アイスエイジの「またたくスピリット」がこれだ。



樋口監督は「きれいすぎる」と返したようだが、翼の感じや、光る単眼はイリスのイメージに生きている。
特にイリスの飛行時の翼には、またたくスピリットの遺伝子がかなり感じられる。


※イリス飛行形態

さらに、これは関係者の証言はないのだが、個人的にどうしてもイリスのイメージソースの一つではないかと思っているカードがあるので、それも載せとこう。
※比較用にイリスも




※イリス

これは、「メタリック・スリヴァー」というカードで、色と言い、頭部の刃物のようなデザインと言い、爪のついた触手と言い、イリスへのミッシングリンクを感じさせはしないだろうか。
このカードがMTGの「テンペスト」で登場したのが97年の10月、『ガメラ3』の公開が99年の3月。
平成ガメラは概ね1年の製作期間があったというので、時期的にもドンピシャじゃなかろうか。

というわけで、今日は平成ガメラとMTGのちょっとした関係を紹介してみた。
平成ガメラが死ぬほど好きで、しかもMTGが死ぬほど好きな人はそんなにたくさんはいないだろう、なら俺がやらねば誰がやる!という使命感もあり。
つまり僕が言いたのは、MTGをやってる人はみんなガメラを見るべきだし、ガメラを見ている人はみんなMTGをやるべきということだ。
シンプルだ!

タカハシヒョウリ

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