どんな年だったか?と聞かれたら、ヒョウリくん頑張ってたよ、と。
今年は、アウトプットが多い1年だった。
2019は、たくさんの打席に立たせてもらい、自分なりにベストを考え、スイングした。
オワリカラのアルバム「PAVILION」のリリースがあって、
楽曲制作させてもらっている開歌-かいか-、D’yerMak’erも次々デビューして、
スクランブルガム、舞台「肉体改造クラブ 女子高生版」、映画「嵐電」、エレクトリックリボンと音楽で関わらせてもらった。
こんな音楽を世界に響かせたいと思ってたものを、アウトプットできた1年だった。
もう一つ特筆しないといけないのは、今年始まった円谷プロダクションとの仕事。
「TSUBURAYA GALAXY」での連載、大人のウルフェス、ツブコンへの出演、塚越会長との対談など、ただ「ウルトラマン好き」から始まったストーリーが凄いところにたどり着いて、貴重な経験ができた。
特撮の楽しさを、ファン目線とマニア目線とクリエイター目線が混ざり合った「ヒョウリ目線」で伝えることを第一に考えた。
夏以降は、オワリカラや、ソロでの活動が少なくなってしまった。
これは、気持ちの問題というより、大人が集まる現実的なスケジュールや生活の問題が大きい。
でも先日、オワリカラで集まった時に、「どんなペースでも、やっていこう」と4人で意思確認をできた。
来年、オワリカラはライブバンドになりたいし、ソロでは音源を残したい。
ちなみに、これは1年間、ライブが減ってわかったことだが、歌ってないと体調や精神を害するということがわかった。
シンプルに。
自分の人生っていうのは、歌うこと、演奏することも合わせて一つのサイクルを成してるんだなー、と理解できたのも、今年の成果。
そのすべてが、昨年までやってきたことから繋がったことだった。
今年やったことは、来年に繋がるんだと思う。
開歌やデジャメのメンバーの頑張りや成長に、僕自身も刺激をもらった。
開歌-かいか-は、はっきりと国民的なグループのビジョンを持っているし、彼女たちにはそのポテンシャルがあると思う。
D'yerMak'erは、彼女たちのパンク感、ロック感が伝わったら、大きなフロアを揺らせる存在に出来ると思ってる。来年はバンドセットもオワリカラのメンバーで担当する。
来年はオケミスもあるし。
作詞作曲家としても、さらに良い仕事が出来る年にしたいし、フルスイングの果てにヒットが出したい。
2019年、ありがとうございました。
どんな年だったか?と聞かれたら、ヒョウリくん頑張ってたよ、
ご連絡のメールは owarikara@hotmail.co.jp まで
連載
『タカハシヒョウリ おタク男子の処方箋』連載中→arWEB
『オワリカラ・タカハシヒョウリのサブカル風来坊!!』連載中→SPICE
『サイケデリックな偏愛文化探訪記!』全9回→日刊サイゾー
『火星から来た漫読家』全30回→Skream!
タカハシヒョウリ
音楽家・文筆家・オタク
ロックバンド「オワリカラ」のボーカル・ギターとして現出。
2010年、1stアルバムリリース。
以降5枚のアルバムをリリースし、各フェスへの出演や、二度のカナダツアー、イギリスのロックバンド・Kula Shakerの来日サポートなど活動。
また、アイドルグループ「開歌-かいか-」全曲作詞作曲「D'yerMak'er?」全曲作詞作曲などの楽曲提供、大槻ケンヂ氏(筋肉少女帯)やあがた森魚氏などとのアルバム制作、ソロミュージシャンなど、様々なスタイルで活動中。
また、自身の「特撮愛」が高じて、特撮音楽をバンドサウンドで表現するロックバンド「科楽特奏隊」を仲間たちと結成。特撮作品への音楽提供、円谷プロダクション公認アルバムをリリースし本物のウルトラセブンとの共演、『おはスタ(テレビ東京)』に出演などの活動も行う。
さらに、様々なカルチャーへの偏愛から、『SPICE』『日刊サイゾー』『特撮秘宝』などのカルチャー系媒体への連載やコラム寄稿、『after6junction(TBSラジオ)』『高橋みなみのこれからどうする?(J-WAVE)』『シン・ゴジラ特番(abema!TV)』『タカハシヒョウリのサブカル別れ道(JFN-PARK)』などの番組への出演、さらに2018年からは女性向けファッション誌『ar』WEB、2019年からは円谷プロダクション公式メディアでの連載や「ウルトラマンフェスティバル」への出演など、独自の活動を続けている。
もはや、自分でもよくわからない今日この頃。
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良かったらブックマークしてください。
このブログを始めて10年以上経ちます。
なんとなく見た目がシンプルなのでJUGEMにして、特に理由なく使い続けてきたのだけど、
いざnoteを使ってみたら、すごく機能的で書きやすい。
あれ、もしかしてJUGEMって化石?っていう感じで。
noteは、見出しは自動で目次になるし、URL貼れば自動で埋め込みになるし、下書きも自動で保存されるし、「長文を書くのに適している」という印象で、音楽制作ノートやコラム的な物はnoteに書いたら捗るんじゃないかと思ってます。
フォローしたり、サポートしてもらったり、有料記事にしたりも出来るみたいだし。
じゃあ、ここどうするのかと言うと、むしろここには雑文書き散らかそうかなーと思ってます。
そんな最新の機能使ってまで書くようなものでもない、日記みたいなものとか、
ずっと使い慣れた秘密のノートに書きなぐるような感じで。
文章を読んでもらう楽しさを、教えてくれたのはこのブログ。
ブログ好きです、と言ってもらえることは、とても嬉しかった。
むちゃくちゃ嫌なことがあっても、ブログに書いて笑い飛ばしたら、結構気が晴れたりもした。
そのうちにオワリカラの活動に沿って、音楽系の媒体でコラムの連載もいくつかやった。
音楽業界では、「バンドマンのコラムは、バンドの宣伝のため」というのが普通で、最初はほとんど原稿料が無いことが多かった。
それが普通だと思っていたし、好きな文章を書けて、それがバンド活動の足しになるなら別に良かった。
でも数年前から違った切り口の依頼が来るようになって、今は文章を書いてちょっとしたまとまったお金をもらうようになった。
それも、ここに書いたシン・ゴジラのレビューや、デヴィッド・ボウイの追悼文を読んだ編集者さんから声がかかったのが最初だった。
このブログは、意外と僕の人生の大きな比重を占めてるんだな、と思う。
僕にとっては、音楽を作ることと、文章を書くことは、同じ表現の中にある。
自分の中の「リズム」でアウトプットするから、自分にとってはその「リズム」の部分が大事なんだと思う。
音楽も、文章も、対談でしゃべることだって、「リズム」だと思ってるから、自分の中では同じ表現なんだと捉えている。
そういう感覚も、このブログでわかったことだ。
ひとまず、ここを読んでくれてる&くれてたみんな、ありがとうございました。
今後も、たまに覗いてみてください。
更新はtwitterなどでもおしらせします。
タカハシヒョウリ
]]>制作ノート書こう書こうと思いながらアホほど遅延してしまいましたが、これはその楽曲制作ノートで、発売時にOTOTOYに寄稿した物の加筆版です。
いつもどおり、ここにあることがすべてではないので、私家版ライナーノーツとしてゆるく読んでね
新しいアイドルグループが生まれるので曲を書いて欲しいという依頼をもらったのが、昨年2018年。
オーディションから関わらせてもらったそのグループは、6人の歌声を見つけて「開歌-かいか-」というグループになった。
オーディションでは、「今すぐ、うまく歌えるかどうか」よりも「癖がついていないこと」「まっすぐ歌えること」を何よりも大事にした。
声の帯域は、高域に2人、中域に3人、さらに低域も歌える声が1人欲しかった。奇跡的にすべてが揃っていたのは運命指数が高かった!
僕の持論として、デビュー曲では、テーマ性を示してほしい。
漠然としたポップソングより、内外にビジョンを提示できるものが好ましいと思っている。
デビュー曲は、彼女たちの真っ直ぐな歌が折り重なって、新たな開花を予感させるような春の歌にしよう、と思った。
イントロはアカペラの3声合唱で、全てのパートが主役のように鮮やかにしたくて、「ハモリ」ではなく全部が「主旋律」のつもりで作った。
歌に登場するのは春の花だけにしたくて、ディレクター某氏と朝まで電話しながら春の花を片っ端から検討した。
花というのは、約束したように、春には春の、夏には夏の、その季節の花たちが咲いて時を知らせてくれる「時の使者」だ。
「アイドル」や「歌」というのも、そうだと思う。
春には春の、夏には夏の歌を歌い、人々の日々の中に季節を運んでくる。
誰かの春の思い出に、夏の記憶に、彼女たちの歌い踊る姿がある。
そうして花のように巡り、出会いと別れを繰り返していく。
それが音楽だし、それがアイドルだろうと思った。
(グループ名の由来にもなっている)
とある研究では、日本語で育った人は、虫の声や風の音を言語野(左脳)で解釈できるらしく、これは世界的に見ても超珍しいらしい。
「意味のない物」に「意味を見出せる」、ものすごく変わった言葉が日本語なのかもしれない。
ということは日本語の歌も洋楽のただの"コピー"にはならないはずで、そこにしか無い響きが出来るはずじゃないか?
そんなイメージをトラックでも表現してほしくて、サクライケンタさんにアレンジをお願いした。
とにかく音を減らして、その分一つ一つの音がヴィヴィッドな、最終的に完成したサクライさんのトラックは見事です。
サクライさんは僕の曲の足りないピースを天才的なアレンジで表現してくれる。
実は、もう一曲の『セミロング』の原型になる曲は『歌の咲く島』より前に作った。
開歌の曲を作るにあたって、僕の思う「ポップス」の魅力を詰め込んでみた習作的な意味合いだったけど、好評で2曲目として採用することになった経緯がある。
この曲では、編曲のサクライさんに加えて、鍵盤にカメダタク、ベースに宮田岳を迎えて、有機的な要素を入れてみた。
A~Bメロはそのままだが、デモでは実はこのあとに所謂「サビ」が付いていた。
「これ、ABメロがサビで良いのでは?」という方向転換があって、その部分は変形してCメロ(大サビ)になった。これは自分では思いつかない、最高のアレンジだったと思う。
こんな感じで、サクライさんやカメタクらとチームで曲を完成させていく過程は、マジックに満ちていた。
ちなみにこの曲、EQバランスをもっと良く出来る気がしていて、いつかアルバムに収録する日が来たらアルバムバージョンを作ってみたいと思っている。
2曲とも、どこか懐かしいようで、どこにも無い新しい歌になったと思う。
ぜひ、すべての世代の人たちに、季節の中で聴いてほしいです。
今はさらに3曲が発表されていて、現在6曲目の制作も進んでいます。
メンバーの歌の急成長に負けないように、曲も進化してます。その辺の話は、またいつか。
]]>まとめです。
ここにあることがすべてではないので、私家版ライナーノーツとして、オマケとして楽しんでね。
『PAVILION』は、初めて自分たちのレーベル(PAVILION)を立ち上げてのリリースということで、今まで以上にセルフプロデュースの側面が強くなった。
全部、自分たちと少ないスタッフで決めれるし、中身は全部自分たちで制作する。
ただ制約が無いのは、最大の制約なんて言いまして、時間がかかりました。
ここに至るまでの経緯を簡単に書くと、
前作『ついに秘密はあばかれた』はメジャー流通の徳間からリリースで、オワリカラの根幹の一つだった「70年代洋ロック」「サイケデリック」というエッセンスを今一度、楽しみ尽くしてやろうというアルバムだった。
ドアーズやピンクフロイド、ザ・バンド、デヴィッド・ボウイといった音楽を繰り返し聴いてきた体から、自然と湧いてくる音楽が『new music from big pink』になり、『世界灯(ワールドライト)』は、自分の中の『Rock’n Roll Suiside』になった。
メジャーの商業ベースに乗れるほど売れず、次のアルバムのリリースまで結果的に3年の時間が空くことになった。
その時点で次のアルバムはいつ作れるか予定も無かったので、シングルを作ってツアーをすることにした。
そんな中で『PAVILION』というアルバムの方向性を決定したのは、『ラブリー』という曲だった。
2017年に作ったこの曲で結実できたのが、ダンスミュージックであること、メロディックな歌謡フレーバー(井上陽水感)を持っている事に加えて、オワリカラ的な違和感があり、今まで以上に抑制された構築美も持っていること。
これらの配合のバランスが、いうなれば秘伝のスパイスの調合法発見!シェフもびっくり!って感じで、「ちょっと何かが違ってしまった世界線のポップミュージック」という感じでグッと来る曲が出来た。
歌詞も、すぐに書けた。ラブソングで。
ちなみにアルバムに収録されている「ラブリー NEW MIX」は何が違うのかと言うと、
たおやめオルケスタの岡村トモ子さんが吹いてくれている最高のフルートと、実はフレンズのえみそんが歌ってくれてる素敵なコーラスが大きくなってます。
両方持ってる人は聴き比べてみよう!
そんな秘伝のバランスにたどり着くためには、習作というと語弊があるが、プロトタイプが必要で、
それがシングル計画1枚目の『ベルトコンベアー』という曲で、歪まない、叫ばない、目立つソロもない中で、構築的なカタルシスの可能性を感じられた曲だった。
この曲で特に大きかったのは、エンジニアまきおくんと、全体の音像や各楽器の録り音などの、かなりの部分が掴めたこと。
ここで掴めたことは、以降オワリカラに限らず色んな音源で生きまくっている。生きすぎ。
『ベルコン』、普通にかんがえたらシングルで出せる曲じゃないかもしれない笑。
でも『ベルコン』でMVも含めて振り切ったことが、その後の『PAVILION』の制作に良い影響を与えたのは間違いないと思う。
MVに使用させていただいたベルトコンベアーを制作している会社の方がライブに来てくれるという、楽しい縁もあったし。
そして前述の『ラブリー』で体感したムードを、より肉体的な方向性で追求したのが『誘惑されちゃう』という曲になった。
実はこの曲を作った時は、音源としてカッコよく勝負できる曲にしたいとしか考えてなかったので、ライブのことは想定していなくて、結果的にライブで盛り上がる曲になるとは思っていなかった。
オーソドックスなロックンロールの中に違和感を配合するバイブスが、かなりキャッチーに実現できた。
歌詞のリズム感も気に入っているし、とにかく録り音がかっこいい。
今となっては、ライブで演奏するのも楽しい、イケてる曲。
アルバム内で唯一気ままに、ギターソロを弾ける曲でもある。
次第にアルバムの姿は見えてきていた。
この頃には、アルバムのテーマを「PAVILION=博覧会の展示場」にすることも決まっていて、万博の資料も集め出し、もうノリノリで、勢いで『祭典』『オワリカラの塔』『PAVILION』が出来た。
『PAVILION』はかなり昔から原型があった曲なんだけど、ただぼんやりと美しいムードの曲になってしまいそうで、乗せるべき言葉が見つからなくてしばらく置いてあった。
アルバムを締めくくる「PAVILIONの閉会式の歌」というテーマと結びついて歌詞を書けて、たぶん曲にとって一番良い形にできたと思う。
歌詞に出てくる電光掲示板に「さようなら」の文字、というのは実際に1970年の大阪万博の閉会式であったらしいんだよね。
それを見た子供たちは、どう感じただろう。進歩と調和の未来か、限界を迎える不安か。
サビでは、「主旋律がオクターブの上下で交互に入れ替わる」というのをやっている。
1行目ではコーラスだったオクターブ下が、2行目では主旋律として出てきて、オクターブ上はそこではコーラスになっているというちょっと不思議な感じ。
ライブでは再現不可能だけど、閉会式を多くの人が眺めてるような雰囲気が出せた気がして、気にいっている。
昔から開会式より閉会式に興味がある子供だった。
『オワリカラの塔』は、「PAVILIONなら塔がいるだろ、当たり前だろ」という気持ちで作ったのだが、実はこの曲の制作には僕は関わってない。
僕は音源ではタンバリン叩いてるだけ(ちなみに猿でも叩ける)。
昔から思っていたのだけど、建築家というのは設計図は書くけど、基本的に現場で建築するのは大工さんたちだ。
ロック音楽では自作自演が多いが、では設計図だけ書いたらどうなるのかな、というコンセプト暴走型で「楽曲の設計図」だけを書いて、それをメンバーに「建築」してもらった。
上昇していくメロディ、次第に減っていくフレーズ、その回数が1回だけに達した時、それを人力で反転させて下降していくと、これが塔のような形になる。
そういうコンセプトだけ図にして送って、建ててもらった「オワリカラの塔」。
ちょうどアルバムの真ん中に、記念碑のようにそびえ立っている。
ちなみにジャケットの「PAVILION」にも絶対に塔を付けてくれと、デザインしてくれたサリー久保田さんにお願いした。
PAVILIONのどこかに塔があるのは「当たり前」なのだ!!
『祭典』は、万博があるならオリンピックもやるだろ!、っていうシンプルシンキングで(こういう単純なところが良いところ)、『誘惑されちゃう』の肉体性を追求した果てにある「踊れる」を超えた「動ける」をテーマに作った。
もはや「踊れる」とかじゃない、「動ける」だ!エクササイズ!
最初はもっとオルタナティブ的でかっこいい歌詞を乗せてみたけど、よりスポーティーにしたら良くなった。
1964の東京オリンピックから始まり、2010年の新宿のライブハウスを経由し、2020年へ向かう肉体の旅。
2019〜2020年というのはエポックな年で、ブレードランナーも、ケムール人も、アキラもこの時期だ。
昭和のイマジネーションがリアルに届く範囲がこの辺だったのだろうか?今では現実がそれを追い抜きつつある。
この曲のポコポコしたカワノくんが叩くコンガの音は、僕が練習スタジオでテキトーに2本のマイクで録ったんだけど、ステレオの分離感と言い、音の迫力と言い、なぜかサイコーですよね。
かつてド素人が集まって気の滅入るような映画を撮ったら『悪魔のいけにえ』という映画が生まれて映画史に残ることになったが、そういう神様の謎の采配っていうのは存在するのかも。
この曲は、とにかく人気があるが、ライブでは肉体性を表現するために「腿上げ」をしながら演奏するので、一度もちゃんと演奏できたことがない。テヘ
この3曲の少し前、2018年の前半にはアルバムの冒頭を飾る『fetish!』『I LIKE IT』が出来上がっていた。
『fetish!』は、僕的には表は完全にポップス、そして裏はプログレ。
歌謡曲の大家・筒美京平がキングクリムゾンと作ったみたいなシングル曲が欲しかった!
この2曲のテーマは少し似ているようだ。
「フェチ」は、『PAVILION』のもう一つのテーマで、「やりたいようにやった」というのは別に褒められることじゃない。
「やりたいようにやった」だけで完結するなら商業音楽は出来ないし、現実的に売れないと次のアルバムは作れない。
「やりたいようにやる」なら、ニッチでもその細部に、誰かをものすごく夢中にさせる何か=フェチが無いとダメだ。
それをやるには、やっぱり愛みたいな物が無いと出来ないんだと思う。
「やりたいようにやらない」方が楽な時も多々あるし、それをやりきれる愛の総量が溢れてる時もあれば、足りない時もある。
別に音楽に限った話じゃなくて、でもそういう価値観の時代が来るんじゃないかな。
つまりラブソングで。
『fetish!』は、舞台「肉体改造クラブ 女子高生版」の演出の中村公平さん達が気に入ってくださって、メインテーマとして使用され、オープニングで役者さんたちがこの曲に合わせてダンスした。
そのダンスがフレッシュで、緊張感もあって良くて、MVでも踊っていただいた。全員が集まってくれて壮大なダンスを踊ってくれた。
それも愛ゆえに、と思う。
リリースから一ヶ月たつわけだけど、僕いまだに「良い音楽聴きたいな」とか、もっと言うと「良い音、気持ちの良い音聴きたいな」って時に、『PAVILION』をサブスクで再生することがある。
自分でそう思える作品が作れたっていうのは、嬉しい。
ここまで読んでくれた人は聴いてくれてると思うけど笑、
でも買って聴いてくれるとPAVILIONレーベルの次作の制作に繋がります、ぜひ聴いてください。
最後に、
月刊少年誌でコロコロを選んだか、ボンボンを選んだか。
エヴァンゲリオンでレイを好きになったか、アスカを好きになったか。
いつの時代も、子供時代は、たくさんの選択が目の前にある。
あの日の、あの選択が、あなたの人生を変えていたかもしれない。。
というわけで先月から、JFNパークで「サブカル分かれ道」というネットラジオ番組をやってます。
子供の頃の選択が、人生にどんな影響を与えてるかを、ちょっと無理やりに、しかしデータに基づいて論理的に、「ガチ調査」を通して解明しようという番組です。
この番組、スタッフは街頭で各100人規模での統計をとって、その人たちの声をお届けするという、10分ちょっとの番組と考えると異様な労力が注入されてたり、初めて企画から関わったラジオ番組でもあり、なにより単純に面白いと思うんです。
しかしこれが、ぜんぜんバズらない。
あまりにもバズらないので、あらためて紹介したくなるほど。
全4回なんですが、もしかしたらレギュラー番組として復活もありえるので、ぜひ聞いてほしい番組。
そしていつか、各世代の、あなたの「サブカル分かれ道」もどこだったのか検証してみたいなーと思います。
スマホで、いつでも聞けます。
第1回
「ドラクエ5のビアンカ派とフローラ派、実際に結婚率が高いのどっち」
僕の世代的には、まず「選択」と言えばこれ。
ドラクエ5では、ゲーム中で結婚する相手を幼馴染のビアンカ、金持ちの娘フローラから選択できました(リメイクではデボラも)
ビアンカは昔一緒に冒険した幼馴染で、お父さんは病気で寝込んでて可哀想という、ストーリー上どう考えても、ポッと出のフローラより幼馴染のビアンカを選べ…という圧力がすごいんだけど、それでもフローラを選ぶ猛者もいました。
そのため一般的にビアンカを選ぶ人は「心の清い良い人」、フローラを選ぶ人は「血も涙もないサイコパス」と言われがちなんだけど、じゃあ実際にドラクエ5をスーファミでプレイしてた世代が結婚する年代になって、現実で結婚している率が高いのはどちらなのか調査しました。
さらに調査の過程でバツイチが多いのは?も出てきたり、番組の一回目にして、衝撃の結果になった回。
ルドマン、聞いてくれ!
第2回
番組開始前にツイッターでアンケートを取ったら一位になったのがこの調査。
新しい番組の企画案なのですが、どれが聞きたいですか?教えてください◉
— タカハシヒョウリ (@TakahashiHyouri) 2018年8月15日
新宿二丁目のゲイの皆さんは子供時代、国民的アニメのドラゴンボールとセーラームーンをどんな角度で見ていたんだろう、という調査。
たしかに気になる。
「ラディッツはエロいのよね〜」などの名言も飛び出す、
紫の煙が充満した濃厚な回で、収録しながらクラクラしつつ、最終的に奥深い世界に触れられた感じがしました。
あと、ゲイの皆さんにはミスターサタンが人気なのでは?という番組の予想はどうだったのか、も注目。
ミスターサタン氏
第3回
みんな気になるお金の話題。
これは、番組当初からすごくやってみたかった調査で、
僕の子供の頃、90年代初頭はガキたちはみんなコロコロかボンボンの少年月刊誌を読んでて、そこに出てる遊びや玩具に夢中になってました。
コロコロとボンボンは明らかに住み分けができてて、外で友達と遊ぶコロコロ、家で一人で遊ぶボンボンって感じで、
僕は運動神経が悪かったので、外でみんなで遊ぶのが死ぬほど嫌いで、案の定ボンボン派だった。
それがポケモンの発売で、みんなでゲームして楽しいっていう世界になってコロコロ派に寝返ったんだけど(こういう転向組は多い)、
そんなボンボン派、コロコロ派が大きくなったときどんな違いがあるのか、を昔から知りたくて結構同世代の人に会うと「どっち派」だったか聞いたりしてました。
で、今回それを年収や、就いている仕事で調査してみたんだけど、もう喋り方とか、その切り口とかからして全然違うのが面白かったなー。
聞いてもらえば分かると思うのですが、ボンボンの方が圧倒的にオタク気質な人が多く、作品への語りも多い。
コロコロボンボンは、まさに「オタクの分かれ道」だったんだな、と理解した回。
第4回
ここまで結構ガチめな調査が続いたけど、最後はものすごくくだらない調査になりました。
街行くエヴァファンの人を見つけ、街中でいきなりレイかアスカへの愛を叫んでもらうという調査。
くだらないのだけど、熱量はすごい!
あと意外と叫んでくれる!
おめでとう!おめでとう!
こんな角度からエヴァ人気の根強さを改めて感じれる番組は他に無いんではないでしょうか(あっても困るが)。
またやれる機会があったら、もっとくだらないのもやってみたい。
「吉野家と松屋派、モテるのはどっち」とかね
※番組の調査に協力していただたすべての皆様、ありがとうございました!
1作目『ウルトラマン・ザ・ロックス』ですら出せたことが奇跡のようなもんなのに、まさか2作目、しかもウルトラマンの主題歌「以外」の楽曲のカバーアルバムという変化球…いや、魔球を繰り出せるとは感慨もひとしおである。これも一作目を手にとってくれたみんなのおかげである。
しかし、どう考えても売れる気がしない。
「そんな風に言わないでください!」「ふざけるな!」という叱咤の声が聞こえてきそうだが、ちょっと、ちょっと待ってほしい。リード曲が『恐怖の町』、2曲目は『戦え!アイゼンボーグ』である。世間的な意味で売れる要素は、部屋中見渡しても見当たらない。
もちろん最高に最高だが、最高の異常事態である。この時代にこのアルバム、作る方も作る方なら、企画を通した方も企画を通した方なのだが、しかし、この作品に関わった多くの人たちの黒歴史になっては僕も目覚めが悪い。夜道も危ないかもしれない。
しかも何より、良いのだ、このアルバム。間違いなくクールなのだ。そこで、このアルバムのセルフライナーノーツを書き残しておきたい。そしてあなたには、「聞く方も聞く方」になって一緒にこの歴史的突然変異の共犯者になってほしいと思う。生粋の特撮愛を持つ皆さんにはもちろん、ここに入ってる楽曲を知らない君にも、ちょっとしたマニアックさをむしろスパイスにできる強靭な舌をもって、この『怪奇と正義』を味わってほしい(まるなげ)。
そもそも、このアルバムこそが、科楽特奏隊のやりたかったことそのものの一つであり、『ウルトラマン・ザ・ロックス』だけでも、『怪奇と正義』だけでも完結しない世界なのだ。
二つは表裏一体の兄弟で、まさに「怪奇」と「正義」、言うなればウルトラマンとザラブ星人。二つ揃って存在して初めて僕たちが円谷プロダクションの協力を得て作品を発表している意味がある。
僕たちは別に有名作品だけが好きなわけでなく、マニアックさだけを愛しているわけでもない。
基準はただ自分たちが面白いと思うか、そして良い曲だと思うかどうかだけ。ここに並んだ11曲は、そんな僕たちが演奏してみたいと心から思った名曲たちだ。
1、恐怖の町 (新録バージョン)
『怪奇大作戦』より
バンドマジックのないバンド音楽なんていらない。そういう意味で科楽特奏隊はやはり突然変異ではあるがバンドで、初期から演奏しつづけてきたこの曲には科楽特奏隊のマジックが詰まっている。
原曲の2倍速くらいにして、ひたすら全力のバンドサウンドでかき鳴らしているだけのこの曲が最高にかっこいいのは、楽曲の力であり、マジックの成せる技だ。
そもそもこの曲には原曲の他にリスペクトした曲があり、それは結成時からのイメージ元でもある。
約20年前にリリースされた特撮バンドカバーの先人『特撮狂(特撮クルー)』に収録されたMAD3による『恐怖の町』がそれである。こちらはインストだが、そのエネルギー量は凄まじく、僕自身心から好きな特撮カバーの1曲だ。これくらいのブっ壊しかたで、クールさで、特撮音楽をバンドでやりたい、と思えた曲だ。
1968年の放送から50年を迎える『怪奇大作戦』は、僕自身が卒業しかけていた「特撮ドラマ」にザバーンとジャンピング出戻りするきっかけとなった作品だ。
ファミリー劇場での全話一挙放送で見たときの衝撃は忘れない。ヒーローも怪獣も出てこないこの作品の、ときに本格派、ときにカルトな魅力。怪獣の不在を埋めるレベルの岸田森の存在感、ATG映画を見ているような気持ちにさせてくれる実相寺監督の演出、ときおりある「むちゃくちゃすぎるわ!」というチープな脚本、、、魅力を語り出せばきりがないのでこの辺にしておくけど、とにかくリスペクトが詰まったこの曲を50周年というタイミングでアルバムの冒頭に持ってこれたのは嬉しい限り。
2、戦え!アイゼンボーグ
『恐竜大戦争アイゼンボーグ』より
ここ最近の大出世シリーズ、その前が『レッドマン』なら、最近は『アイゼンボーグ』だろう。特撮とアニメの融合という、日本でもかなりマニアックな部類に入るこの作品が、はるか海を渡った中東で根強い人気を誇り、とあるサウジアラビアの熱烈なファンの呼びかけで40周年の節目に新作が作られた。まさに奇跡の復活を遂げた作品だ。
今回の『アイゼンボーグ』収録に、そのサウジアラビアの富豪ジャッラーハもSNSで喜びの連絡をくれた。「アイゼンボーグ」でエゴサーチしているその執念にも驚かされたが、規模は違えどジャッラーハがやっていることと、僕らがやっていること、根底では気持ちは近いと思っているので、とても嬉しかった。
そんなわけで今最高にホットな曲を、アークティックモンキーズ風の骨の太いサウンドでゴリゴリとやってみた。恐竜が押し寄せているイメージだ。やはり好きなのは恐竜の名前を連呼するパートだ。1番で叫ばれる名前が「ぜんぶ草食恐竜」と知ったときは笑ってしまった。この曲のベースは特撮バンドマン界の兄貴、出口博之兄さんに弾いてもらった。言うなればゾフィー的な助っ人だ。めちゃくちゃ出口節なので、必聴。
3、夢のヒーロー (リミックスバージョン)
『電光超人グリッドマン』より
僕らの子供の頃のリアルタイム円谷作品は少なかった。そんな円谷冬の時代に颯爽と現れたのがグリッドマンだ。
コンピューター世界に現れる怪獣を撃退するヒーロー、というインターネットの普及やコンピューターウイルスの問題を先取りしまくった作品で、マジで早すぎた。リアルタイム放送でどハマりした最初の円谷ヒーローかもしれない。この作品に出てくる手作りパソコン「ジャンク」に憧れて、道端に落ちている電子部品を全て拾い集めるという奇癖が身についた。今年は35周年で、時代が追いついて新作アニメ化が決定している。
オープニング楽曲である「夢のヒーロー」も、子供の頃から大好きな歌で、特に熱い歌詞が最高だ。科楽特奏隊では、よりシティでポップな感じを目指してカバーした。遼さんによるシンセが、コンピューターワールド感を醸し出しており、歌に乗ってくるエミソンヌによるソウルフルなコーラスもかっこいい。僕のギターソロもすごい良いと思うが、あまり聴こえない。よく聴いてみてほしい。
4、レッドマン
『レッドマン』より
ここまで書いてみて、長文になりすぎてて、このままだと発売までに書き終わらない気がしてきたのでちょっと加速しようと思う。
近代1のバズりヒーロー・レッドマン。円谷作品をみんなで見て突っ込んで盛り上がる、という感覚を広く共有したエポックメイキングなヒーローだ。ちなみにこういう楽しみ方を「キャンプ」という。アメリカだと、キャンプな映画をみんなで見て笑って楽しむパーティー文化が昔から広く根付いているらしい、という話を中学生くらいのときに知って、憧れが止まらなかった。
レッドマンは、わずか5分ほどの番組内で、突如現れ、普通に歩いてるだけの怪獣に襲いかかり刺殺する。そのシュールな姿から「赤い通り魔」の異名で大人気となった。僕らもその人気にあやかろうと、オマージュ映像を作ったのだが、まったくバズらなかった。いつの日か本家レッドマンのように日の目を見ることに期待したい。
5、アンドロメロス
『アンドロメロス』より
さて、アンドロメロスである。今作の最大の問題作とも言われている。アンドロメロスといえば、鎧に身をまとった4人の戦士たちが活躍する5分ほどの特撮番組で、学年誌なんかの特撮グラビアがTV番組になったような独特のユルい味わいがある。第1話の冒頭から、4人のうちの1人・アンドロウルフが負傷していてお留守番という展開が衝撃だ。
この水木一郎さんが歌うアンドロメロスの主題歌、明朗としたポップな楽曲なのだがカバーがめちゃくちゃ難しく、一番難航した。一度まとまりかけたアイデアを全部捨てて、ある方向性に振り切ってアレンジした。それが「ジミヘンがアンドロメロスをカバーしたら」である。
伝説のロックギタリストであるジミ・ヘンドリックスがアンドロメロスを演奏したら…そんなイメージだけを胸に、スタジオでマーシャルをフルボリュームの爆音で鳴らして録ったのがこのアレンジだ。楽器は、ギターとドラムに、出口さんのブイブイと暴れるベースのみのスリーピースで、気分はジミ・ヘンドリックス&エクスペリエンスである。これは世界初のアプローチだろう(アンドロメロスをカバーしている人が他にどれくらいいるかわからないが)。結果的に入魂のアンドロメロスになった。
ぜんぜん短くならねぇ!ここからもっと加速する。
6、快獣ブースカ
『快獣ブースカ』より
全国のエミソンヌファンの皆様、お待たせしました。今回もエミソンヌが歌う癒しの時間をご用意しました。
楽曲は円谷の誇るマスコットキャラ・快獣ブースカ!
とにかくエミソンヌの歌の可愛さが際立つように、ウクレレなんかを弾いてシンプルで牧歌的なアレンジにしてみた。可愛くってなんだか泣ける、最高の折り返し地点になっている。
7、ミラーマンの歌
『ミラーマン』より
ミラーマンの歌は本当に独特で、なんとも不思議な魅力がある。ロックにもアレンジできそうだったが、朝焼けの中に溶けていくようなサイケデリックなアレンジにしてみた。60年代のソフトサイケバンドや、Flaming Lipsのようなイメージだ。一度こういう方向性で特撮音楽をアレンジしてみたかった。
ところで、かつて中原昌也さんの暴力温泉芸者が「ミラーマン」のカバー(?)をアルバムに入れていた。それが、誰かわからない素人がカラオケボックスで歌うミラーマンを適当にマッシュアップした感じの音質の悪い気の狂ったトラックだった。あれはマジでなんだったのか、一度聞いてみたい。
8、ファイヤーマン(新録バージョン)
『ファイヤーマン』より
子門真人はロックである。
これは真理である。
白人的なロック、黒人的なソウル、そして日本人的な叙情、これらが渾然一体となった唯一無二のグルーヴを持つシンガー。
この稀代の歌い手が、数多くの子供番組の主題歌を歌い残してくれたことは、この国最大のロックの幸運の一つだろう。
彼が残してくれたロック的遺伝子は、日本人のDNAの奥底に眠っている。
9、ULTRA7
『ウルトラセブン』より
主題歌の方でなく、劇中にかかる英語の歌である。ポインターの走行シーンや、ウルトラホークの発進シーンで流れる、ウルトラシリーズ史上もっとも洒落た曲だと思う。
科楽特奏隊バージョンでは、福田"キング"裕彦さんのピアノをフィーチャーし、「発進してる感」満載の疾走感あるアレンジを目指した。車の運転中などに聴いていただきたい。事故は起こさないでいただきたい。
もう一つ、この曲の間奏でナレーションを入れているのは、ウルトラマンシリーズで監督を務める田口清隆監督である。超豪華である。これ、原曲のナレーションを満田かずほ監督が担当していることへのリスペクトを込めて田口監督にお願いしたのだ。
10、TACの歌
『ウルトラマンA』より
僕が愛してやまないウルトラマンAの、防衛チーム・TACのテーマ曲だ。この曲は最高で、劇中でTACの隊員たちがこの歌を歌う、というメタなシーンがあるのだ。つまり、ウルトラマンAの世界にもこの歌は存在するようだ。なのにこの曲、基地の所在地や、兵器の存在、隊員の個人名まで歌詞で暴露している。この危機意識のなさが第2期ウルトラの魅力だ。
特に好きなのは2番で、ここに「ドルフィン2号」というマシーンが出てくるのだが、劇中で一度も出てこない。じゃあ、1号は出てくるのかというと1号も出てこない。そもそも富士五湖の基地に格納された潜水艦なのだが、富士五湖は海につながっていないので海に出れない。おそらく、劇中に出てこなかったのは、富士五湖の湖底をずっとさまよっていたからだろう。
この曲のアレンジ元は90年代のバンド・NIRVANAである。TACの歌をグランジ調に、という遼さんの発想にも驚かされるが、個人的にもNIRVANAは心から愛するバンドでたくさんのNIRVANAリフを曲中に散りばめさせてもらった。好きな人は探してみてください。
11、マイティジャックの歌
『マイティジャック』より
アルバムの最後を飾るのは、「怪奇大作戦」と同じく放送50年を迎える特撮ドラマ「マイティジャック」である。
マイティジャックは、巨大ヒーローが登場せず派手さはないが、とにかく一つ一つのアイテムや設定がセンス良い。冨田勲さんが作曲したこの曲も、ものすごく洒落ていてかっこいい。子供向け番組でありながら、楽曲の半分以上がインストというのもセンスにあふれている。冨田さんの特撮番組の主題歌といえば「キャプテンウルトラ」もすごい曲だ。
遼さんのシンセが映えるニューウェーブ調となっている。個人的にこだわってグレッチで弾いたギターソロの音色が良い感じである。
最後を飾るにふさわしい大作になっていると思うので、ぜひ一緒に合唱しよう。
というわけで、怪奇の町の上、正義の星の下、僕のオタク人生の記念碑にして、音楽人生的にも趣味嗜好をつめこんだ『怪奇と正義』が世に出る。
科楽特奏隊というバンドが生まれたのは、きっとこんな作品を残していくためだったんじゃないかと思う。
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今年も何卒宜しくお願いします。
三ヶ日、いよいよ暇になってきた人向けに、
2017年に書いたコラムからいくつか選んでみました。
コラムってほら、ちょっとした暇つぶしになるのが最大の役目だから。
1、”ゴジラ映画史上最大の異端児”板野義光監督に捧ぐ『ゴジラ対ヘドラ』にまつわるエトセトラ
http://www.cyzo.com/2017/06/post_32963.html
2、追悼トビー・フーパー!伝説のホラー作品『悪魔のいけにえ』の撮影現場は、映画以上の地獄だった!
http://www.cyzo.com/2017/11/post_141934.html
2017年は多くの敬愛する映画監督が逝ってしまった。
海外では、ホラー映画界の二大巨頭である『ゾンビ』のジョージ・A・ロメロと、『悪魔のいけにえ』のトビー・フーパーが同じ年に逝ってしまったのは印象的だった。
『ゾンビ』も大好きだが、最高のホラー映画の一本は?と聞かれたら『悪魔のいけにえ』と答える。
そんな『悪魔のいけにえ』の出演者や関係者のインタビューをまとめたどキュメンタリー映画がめちゃめちゃ面白かったので、そこからまとめたのが上記のコラムだ。
そして国内では、僕がもっとも愛するゴジラ映画である『ゴジラ対ヘドラ』の監督・板野義光監督が逝去した。
板野義光氏は、ただゴジラ映画史上最大のカルト作を撮ったというだけでなく、映画の世界に残るたくさんの功績を残している。
このコラムでは、その功績を極力わかりやすくまとめつつ、『ゴジラ対ヘドラ』について語りたいことは全部詰め込んだつもりだ。
もう、『対ヘドラ』について書くことは残ってねぇ!って勢いで書きました。
3、『MtG』巨大トーナメントにバンドマンが参加してきた! 今だからわかるTCGの魅力
http://kai-you.net/article/41888
4、マジック:ザ・ギャザリング 八十岡翔太に訊く“プロプレイヤー”の世界
http://spice.eplus.jp/articles/115679
一昨年から、『マジック:ザ・ギャザリング』に激ハマっている。そのMTG関連のコラムもいくつか書かせてもらった。
できりかぎり、カードゲームファンでない人にも読める感じをめざしました。
この時に対談させていただいた八十岡翔太選手は、このあとワールドマジックカップでも活躍し、日本代表チームを優勝に導いた。
決勝を生放送で見ていたが、世界一がかかっている場面での完璧なプレイングに、本当に感動しました。ヤソ選手おめでとうございます!
「なぜ大人がカードゲームにハマるのか」ということを書いたのが、上のKAI-YOUのコラム。
いや、楽しいからハマるんだけどね、それがなぜなんだ?って文章にしてみると自分で驚くような発見もある。
何かをわかってるから書けるんじゃない、何かを書く過程でやっと少しわかるんだ。
何かをわかりたくて、書くんだね。
誰にだってできることだ。
5、映画『光』にも出てくる「音声ガイド」ってなに? 映画の「視覚障害者向け音声ガイド」の現在を体験してきた【前後編】
http://spice.eplus.jp/articles/143066
http://spice.eplus.jp/articles/137295
昨年、力を入れて前後編でまとめたコラム。
視覚障害者向けの映画のナレーション=「音声ガイド」という馴染みない世界に飛び込んで、自分の身体や五感を使ってみた。
ある意味で、自分は感性的な人間じゃないんだと思う。反射力に欠け、どこか理屈っぽく、まとめたがり。
そんな自分にできることを探している。
視覚障害者モニターの「まさこさん」との会話をふと思い出す時がある。
「伝えたい気持ちが強いのね」と言われた場面を、ふと思い出す。
6、「岡本英郎さんに聞く『バーザムの真実に迫る&全仕事史インタビュー』
アニメ編
http://spice.eplus.jp/articles/124374
特撮編
http://spice.eplus.jp/articles/126417
昨年、書いたコラムの中でもっとも反応が大きかったのが、この岡本英郎さんインタビュー。
「バーザム」初プラモ化のタイミングでもあって、たくさんの人に読んでもらえた。
自分自身も、本当に知りたいことをザクザク聞けて、興奮の時間だった。
自分的に、対談やインタビューをした人には、自分のコラムに登場したことによって「得」してほしいと思っている。
そんなわけで、岡本さんの原画集を待ってます。
今年も、文章を書く機会があったら、その都度たのしんで書いていこうと思う。
こうしてみると、2017年は真面目な文章が多い、もうすこしどうでも良いものも書きたいところ。
とにかく、どこかの誰かが、ちょっとニヤリとしたり、ほほうと思って、ちょっとした時間の1ピースになったら嬉しい。
それが良い!
]]>※お問い合わせは
この年越し蕎麦を食べる風習だけは、なぜか途切れたことがない。
さて、もう昨年の話だけど、
昨年はもう1枚、アルバムをリリースできた。
特撮リスペクトバンド「科楽特奏隊」の2ndミニアルバム『ウルトラグレイトフルヒッツ2』。
2016年は、特撮的に超熱い、超熱くてヤバい〜っていう1年で、その熱さ指数はたいへんなものだった。
なぜなら、まずわれらの「ウルトラマン50周年」!
これを祝うアルバムを作らなくて何が特撮リスペクトだよオバカ野郎!というわけで、おそろしく時間が無い中、メンバー死ぬ気で作った円谷プロ曲のカバーアルバム第2弾だ。
古今東西たくさんカバーされている「ウルトラマンの歌」に新解釈を導き出せるか、というのが1番の目標だったけど、ちゃんと達成出来たと思う。
必殺技は「Kula Shaker+ウルトラマン」だ!僕にとっては結果的に今年を象徴する曲の1つになった…。
そして、もうひとつの経験も本当に貴重だった。
「ウルトラマンの歌」のMVで初めて監督として参加して、初代ウルトラマンのスーツアクター・古谷敏さんに主演して頂くという夢のような。
敏さん、映像チーム、ありがとうございました。
みんなが現実に職を書く中、幼稚園の卒園手形で「ウルトラマンになりたいです!」という壮大な夢を語ってから25年、ウルトラマンにはなれなかったけど、本物のウルトラマンの前で「ウルトラマンの歌」を歌うミュージシャンになったぞおまえ。
さらにもう1枚、シングル。
『ご当地怪獣のテーマ』は、楽しさMAXで作ったな。
ポケモンいえるかな?みたいなパートもあるし、パワーポップな展開もある、
中村遼兄さんとの共同作業が楽しかった曲。
しかも思いつきで英語版と中国語版をレコーディングしたのだが、
中国語がムズすぎて、翻訳の付さんにダメ出しされまくり本当にレオの特訓みたいなレコーディングになったのも印象的だ。
あまり宣伝できてないけど、この苦労した三ヶ国語シングルGETしてほしい。
この他にも『ドキラの祈り』『獅子仮面あうん』というオリジナル曲を書いたのだが、今年は世に出したいものだ。
今年は「ウルトラセブン50周年」がやってくる、これもまたやらないわけにはいかない…!
2016年、実現できなかったことが
「タカハシヒョウリソロバンドセット」の音源を作れなかったこと。
これは今年、絶対やりたい(クリアしなくちゃ壁は高いけど、応援してくれー)。めっちゃ良いアルバムになる自信がある。
学生時代から事あるごとにピアノを弾いてきてくれたアラカキヒロコが活動の拠点を沖縄に移すということで、
ライブ活動はもう出来なくなるだろう(もともと年に数回しかやってないけど)。
でも、最後にこのバンドの音を記録してライブをしたい。
いま数えたら曲は12曲あった。フルアルバムいけるじゃん。
そして、2016年は『シン・ゴジラ特需』が発動した。
今年は「シン・ゴジラ1周年」ですよ。
ゴジラをテーマに相澤瞬くんとこんな曲まで作った。
「エミソンヌwith G-SUMMITS」で『恋のショックアンカー 愛のGクラッシャー』。
ゴジラに恋する超能力少女を歌ったラブソング。
これ、itunesで実際に発売までしてしまった。良いのか。良いか。
ここで買えます
夏はシン・ゴジラを一晩に2回見て、勢い余ってブログに書き殴った。
それをたくさんの人に読んでもらえたこともあって、昨年は妙に音楽以外の舞台を用意してもらった。
それも記しておこ。
耳マンで東映映画、ラジオでシン・ゴジラ先生、シン・ゴジラ公式番組、オモコロであたまゆるゆる審査員、山田玲司さんの番組でウルトラマン、DONUTでカセットテープ、ストーンズ、特撮秘宝で座談会、井口昇監督の映画、、、
感謝!
そして、日刊サイゾーで『オワリカラ・タカハシヒョウリのサイケデリック偏愛文化探訪記』、SPICEで『オワリカラ・タカハシヒョウリのサブカル風来坊!!』の連載が始まった。(どっちもすごいタイトルだな。)
今年はこの2本の連載を、「中身が面白い」と認知されるまで頑張りたい。
人生30年目を迎えた時に、依頼された仕事はすべて応えようと決めたので、
今、与えられた目の前の舞台に、期待以上のクオリティで応えます。
昔から言ってるけどこのブログは、わたしの外付けハードディスクだ。HDDだ。
内蔵容量からこぼれてしまうものも、この電脳の海に置いておけるし、あなたと共有できる。
こうして並べてみると、2016ずいぶん色々やってきた。後悔は無いなー。
でも、今年はもっとスピードを上げないと、やりたいと思ってることが消えてくスピードにまったく追いつかない。
あと、人としてもう少しまともな生活をしよう。
あと、こいつも昨年はお世話になりました。
デザフェス出展とか、ちょっとだけ歩みを進めました。
目標は「アニメ化」と「主題歌作成」です。
謹賀新年
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ライブしてたり、何かしらナシクズシ的に年を越すことが多かったから、こうして日をまたぐのを無音で待つのは結構久しぶりだ。
高校生の時、真っ暗な部屋で年をまたぐ瞬間に好きな曲を爆音で再生する、という今思うと本当に暗い奇祭を催していた。
Kula Shakerの"Hey Dude"を再生した年があったけど、今年はイギリスから来たKula Shakerと対バンもしたんだと思うと、あの奇祭も意外と祈りが天に通じたりしたのかもしれないと思う。
いや、本当に結構そういうことなんだと思う。
実は、今年はオワリカラにとって激動の年だった。
オワリカラをやりたいと言う(ちょっと変な)メジャーレーベル、徳間ジャパンとそのスタッフが現れ、
『ついに秘密はあばかれた』というアルバムがリリースできた。
年始はスタジオワークとかで大変だったな。
それで事務所とも初めてしっかり関わって、あらためて色々なことを試せた。
諸先輩方にコメントをもらって、リリース、ツアー、夏フェスへの出演、Kula Shakerやサンフジンズとの共演、ワンマン、実験惑星。
思ったようにハマらないことも多くて、スタッフに喧嘩をふっかけたことも一度や二度ではないけど、
1年通してオワリカラの音楽で発信しつづけられたこと、挑戦できたこと、これは本当に嬉しいよ。感謝。
そして、アルバムを買う、MVを見る、ライブに来る、踊る、歌う、叫ぶ、笑う、泣く。
オワリカラへ、1アクションを起こしてくれたみんなありがとう。
すべてのその、1アクションずつ。
1アクションを起こすのって本当に大変だもんな。出不精なおれが1番良く知っている。
1アクションは、まじたいへん。
このブログを読むのだって、1アクション。
その1アクション、おろそかにはせぬぞ。
たとえばこうイメージする。
このバンドがライブでどーんと鳴らした音が、耳には聴こえなくなっても鳴り止まないってイメージする。
音の波長が耳に聴こえないくらい微かになって、その振り幅が限りなく平坦になって、無音に近くなっても、それは無になったわけではなく、未来永劫、世界を遊泳するようで、気づかないところで何かに影響を与えたり、コトワリに触れたりしている。
みんなと一緒に、その波形の行き先を眺めている感じ。
今年はほんとうにお世話になりました。
来年はさらに良い曲作るので、よろしく!
あと、今年は後半に、オワリカラでアイドルネッサンスのバンドセットを担当してZeppワンマンを皮切りに3回演奏した。
めちゃめちゃ楽しい時間で、アイドルネッサンスのみんなと、スタッフとファンの人たちに心から感謝してます。
これは前にもちょっと言ったけど、僕のこの好きなことだけやってなんとなくギリギリ許されてきた30年と、彼女たちのこの2年の頑張りは、天秤に乗せたらあちらの方が重いと思う、それくらいの頑張りだ。
とっくに大人の自分が10代の彼女たちを見て尊敬できて、背筋が伸びる思いだった。
凄腕の炭竃さん、園木さん、イイジマさんとの演奏は、本当に勉強になる仕事でした。
これもすべて『踊るロールシャッハ』を選曲したセンス最高のテリーさん、ありがとね!!
またやろう!
まだ書きたいこと大量にあるけど、とりあえず年越し蕎麦食べにいってくる。
今年もあと10分。
そのまえに、もっかいさいしょから考えてみないか。
(youtube公式サイトか、アプリで読むと超とべちゃうすごいMV)
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オワリカラ、2年ぶりのアルバム『ついに秘密はあばかれた』リリースしました。
徳間ジャパンからのメジャー1stフルアルバムです。
この2年間がすべて曲になって詰まってます。
『今夜のまもの』MVです。
全曲試聴トレイラーです。
『new music from big pink』MVです。
監督 sa-ya(give me wallets)
初回盤のDVDに収録されている昨年のワンマン映像のダイジェストです。
撮影編集 753デーズ
アルバム収録曲から『どうくつぐらしのススメ』のライブ映像です。
撮影編集 753デーズ
特設サイトに、たくさんの素晴らしきミュージシャンの方に頂いたコメントを掲載させていただいてます。
あがた森魚さん、奥田民生さん、大槻ケンヂさん、クワサキさん(カメタクの先輩)、須藤寿さん(髭)、松尾スズキさん、山内総一郎さん(フジファブリック)、ヨコタシンノスケさん(キュウソネコカミ)、渡辺大知さん(黒猫チェルシー)、和田唱さん(TRICERATOPS)、本当にありがとうございます!
http://www.owarikara.com/tuini/
9月は東名阪ワンマンです。
ここがすごい1、集大成セットリスト
ここがすごい2、新曲あり
ここがすごい3、新グッズ多数
ここがすごい4、特典あり
ここがすごい5、ツアーファイナル東京ではゲスト&VJ参加
すさまじい気合いなので来てね。
ながくなるので続きはここから
]]>庵野秀明がゴジラを撮ると聞いて、楽しみとはいえ「いったいどうなるんだ…」という気持ちが、「ん?意外と良いかも」に変わり、「楽しみでしかたねぇ!」に変わり、「ガマンできん、絶対最速上映で見る!」になるのにさほど時間はかからなかった。
公開日の29日になった瞬間に見れるという最速上映で見て、そのあと深夜3時半からのIMAXで見て、一晩で2回見た。
映画館を出たのは朝の6時。朝日がまぶしかった。
僕がミュージシャンというヤクザな肩書きだったから良かったものの、この一般社会人を殺しにかかる上映スケジュール危険すぎる。
と思ったのは僕だけでは無かったようで、争奪戦になるかと思った最速上映のチケットも簡単に取れてしまったし、一部の回を除いては完売もしなかったようだ。
僕なんかブラウザ2つ開いて、0時になった瞬間に連打してたのに。。
そのおかげで劇場のど真ん中あたりというかなり良いとこが取れたので良いのだけど。
あの時、一瞬で埋まったのは30席くらいだったので、他の回も含めると0時になった瞬間に連打していた人は全国で100〜200人ほどと推測される。
意外に少ないぞゴジラ信者&庵野信者。どうした日本!興行成績が心配だぞ。
まだ見てない人は、かなりの衝撃的な傑作だし、とにかく庵野演出の冴えは史上最高レベルなので、多くの人に見てほしい。
で、ここからはツイッターに書けないネタバレ感想を。
超ネタバレしますので、ご注意を。
「(まだ見てない人の)生命の保証はできませんので、お通しすることはできません!」
]]>
これにて長かった音源制作の日々が終わってしまい、達成感とともにちょっとしたレコーディングロス状態です。
とはいっても、アルバムの中身が出来てもリリースまでの2ヶ月まだまだやることはあり、ていうか発売しないと世に出たことにならないので、ていうか買ってもらい聴かれないと嫌なので、今日は映像の編集に行ってきた。
それが予想を超えた振り切れ方で、「う〜む、僕の言う事は無い!あとはよろしく!」という感じで意外に早く終わったので、この時間でブログを書いている。
発表(たくさんの反応に感謝)と同時にブログを書こうと思ったのだけど、その時点では中身が完成していないどころかレコーディングの佳境に突入していて、毎日が「スタジオで芋洗い状態」で、そもそもまだ自分でもアルバムの全貌がわからないのに何か無責任なこと書いても説得力無いだろうなー、と思い書かなかったんだけど、
中身が完成した今なら自信を持って最高のアルバムだと言えるので、
今やっと書けます。
何度だって言っておきたいことだから、あらためて。
5月18日、
オワリカラ、メジャー1stフルアルバム『ついに秘密はあばかれた』を徳間ジャパンからリリースします。
この2年ぶりのアルバムで、今までの人も、これからの人も、全員を新世界へお連れします。
全12曲、自信アリ。
というわけで今日は、アルバムにまつわるいくつかの秘密をあばこうと思う。
(綺麗に繋がったなあ。ねえ?)
『私の死』
ジャック・ブレル デヴィッド・ボウイ
私の死は古い車輪のように待っている
わかるんだ、わたしはその道を辿るだろう
死と、去り行く時に、口笛を吹こう
私の死は聖書の真理のように待っている
あの青春の告別場で
僕たちは、去り行く時に飲み交わそう
私の死は、闇夜の魔女のように待っている
それでも、わたしたちの愛は確かに輝く
さあ、去り行く時を思うのはやめて
扉の向こうに何があろうとも
天使だろうと 悪魔だろうと どうでも良いことさ
その扉の前にいるのは、
あなたなのだから
私の死はめくらの乞食のように待っている
真っ暗な心で世界を見ている
去り行く時の銭別をめぐんでやろうか
私の死はあなたの太ももの間で待っている
あなたの冷たい指が私の眼を閉じる
さあ、去り行く時を思うのはやめよう
私の死は友人たちの許しを待っている
終わりを迎えるまでの、束の間の喜びの時間
さあ、去り行く時を思うのはやめよう
扉の向こうに何があろうとも
天使だろうと 悪魔だろうと どうでも良いことさ
その扉の前にいるのは、
あなたなのだから
私の死は枯れ葉の中で待っている
魔術師の神秘の袖の中に
野うさぎや、犬や、去り行く時が。
私の死は花々の中で待っている。
黒い、何よりも黒い影の中に潜んでいる
去り行く時のためにライラックをつもう。
私の死はダブルベッドでも待っている
忘却の帆を張ろう
さぁ、シーツを持って 去り行く時を包んでしまおう
扉の向こうに何があろうとも
天使だろうと 悪魔だろうと 僕にはどうでも良いことさ
その扉の前にいるのは、
あなたなのだから
アウトドアはあまり興味ないけど、なぜか夜の海は好きで、夏になるとたまに行く。
1年に1回行くか行かないか、だけど。
「それでも意外!」と言われることがあるのだが、多くの人がイメージする海水浴とは程遠く、ほとんど入水自殺に近い形だ。
ちょっと離れたところに行くと、基本的にほとんど誰もいないからね、夜の海岸。
夜の海、こわいよなぁ。
本当に夜の海のヤツは、怖い。吸い込まれそうで。
あと巨大な何かが出てきそうだ、怖い。
あと厳しいね。海は厳しいよ。
海に行って波打ち際の浅瀬をジャブジャブ歩いていたら、なんかものすごいチクチクする。
子供の頃からあのチクチクを「うわー、波が強いから砂がぶつかってくるんだな」と思っていたんだけど、今回はそのあと蚊にさされたみたいに発疹ができた。
すぐに引いたんだけど、「これ、砂じゃねーな」と思って調べて、『チンクイムシ』という存在を初めて知った。
名前に触れたい気持ちはわかるけど、それはちょっと置いておいて、
これはカニやエビの幼生が集団で漂ってるとこに突っ込むとチクチクするらしい。
目に見えないくらい小さくて毒も無いけど、なぜか人によっては長いこと腫れたりする人もいて、その原因は謎らしい。
これが万が一、水着に入ると大事な所がかゆくなるから文字通り『チンクイムシ』と名付けた名も無き天才コピーライター(バカ)の海の男が日本のどこかにいる。
(ちなみに、別に男だけに襲いかかってくるわけではなく、女性にもアレルギー反応を起こす人は平等にいる)
かっこよく言うと「プランクトン皮膚炎」。
これ本当に昔から不思議だったんだ。
最初は足に小さい魚が噛み付いてきてんのかな、とか思ってたんだけど見えないし、砂かな?砂だよな、と納得していたのだけど、目に見えないカニやエビだったのか。
しかもヤツらは集団で一カ所に漂っているので、場所を変えればチクチクしないらしい。
知らなかった!
では、最後に首無し海水浴。
新曲デモのレコーディングはGO GO KING RECORDERS(studio)で行った。
今回の新曲2曲はGGKR加納さんとの処女セッションで、これから続いていくセッションの第一次接触だ。
こっからこなれていって、倦怠期の夫婦のようになり、老夫婦になるまでセッションはつづく。
そして、オワリカラとしては初のアナログテープ録音!
初のアナログテープ録音!
初のアナログテープ録音!
デジタルデータでなく磁気テープに録音する、60年代からあるアレだ。
今までもアナログテープで録りたいとはずーっと思っていたけど、機会が無くてできなかった。
誰ともなく「金がかかる」「直しがきかなくて大変だ」とも聞かされていたんだけど、いざやってみたら「なぜこれを今までやって来なかったのよ」というその一言。
(いやあ、今だからこそ出来たのか?そうかも。)
正確にはアナログテープとデジタルデータの合わせ技なんだけど、これがこれからのオワリカラに一番合うんじゃないかという手ごたえがある。
このテープで録音
ライブ盤は2014年のライブ、渋谷WWWワンマン、千葉LOOK(88とのツーマン)、下北沢ClubQUE(CARNATIONとのツーマン)から選んだテイク。
WWWワンマンあたりから演奏の芯が一つ強くなっていってるように感じて、この感じでライブ盤を作りたいと思っていた。
僕自身がライブ盤というのがすごく好きだというのもある。
綺麗で完璧なライブ盤も、ギリギリで生なライブ盤も好き。
今の気分で選ぶと、完璧なのはジョニミッチェル『Shadows&Light』、ギリギリなのは郷ひろみ『HIROMI ON STAGE』。
今回は30分、とにかくグルーヴの存在が感じられる演奏を選んだ。
テイクはすごく良いと思う。
爆音で、ノンストップで聴いてほしい。
こうして周りのことをいろいろ準備して(したからこそ)、ライブ本編はできるだけシンプルな純度の高い物にしたくなった。4人がそこで演奏している事実が、ひたすらに近くに聴こえる夜にしよう。
ウザったいくらいひたむきにやってやろう。ありきたりな感謝の言葉はその日まで置いとこう。
最近、バンドの解散が多いな。10個くらい聞いた。6年オワリカラをやってきて、バンドの解散は本当に冬が多いと学んだ。
時代というのもあるし、やはり寒くなるといろいろあれなのか。
センチメンタルな季節を、せめて軽快に生き抜ける一夜を作りたい。
こういう時代にこういうバンド、まだまだ大丈夫じゃん、とそこにいる人だけでも信じられる夜にしよう。この夜に、2015年のオワリカラは始まる。
大槻ケンヂ氏の番組に出た。
僕の人生で唯一サインをもらったことのあるミュージシャン。
紳士だったなぁ。この人の影響でどれだけの人が希望を与えられ、どれだけの人が人生を踏み外したのだろうか。
罪深きオーケン。
でも「XJAPANに対する筋少、SEKAI NO OWARIに対するオワリカラで頑張っていこう!」
という言葉。
またここに、やっぱり希望と踏み外しが生まれたのでした。
こたえます
Q、私の好きな人は魂の美しい人です。
自分は理解されないと嘆き、仲間とすれ違い
とても苦しんでいます。
私は未来にあなたを待っている人達のところに会いに行けばいい。大丈夫だよ、心配ないよ。と思うのですが遠く離れていて伝えることができません。
せめて、彼が一日の中で少しでも穏やかな気持ちになれるような曲を教えて下さい。
A、日本語の曲が良いのかもしれないけど、DAVID BOWIEの『Ziggy Stardust』というアルバムの中から『ロックンロールの自殺者』という曲。
アルバムの冒頭の『5yaers』という曲もちょっとセットになっているので、アルバム全部の歌詞がオススメなんだけど、ロクな和訳が無いのだ。
そんな中、『スピード・オブ・ライフ』という和訳詩集はかなり良いので、もし興味があれば読んでみてほしい。(と思ったらamazonではプレミアがついていた…、探したら安くあると思うんだけど)
魂の美しさについては置いておきます。
Q、相談なのですが、私は不眠症です
いつも寝ようと思ってから2時間くらいは寝れません。今日は新記録がでました。
12時に床に就いたにも関わらずそのまま寝れず現在の時刻は6時15分です。
YouTubeで眠くなる音を調べて聴いたり本を読んでみたり暴れてみたり色々したんですが、、
なにか方法ありますか。
A、寝ない、寝る努力もしない。
寝ようと思うと寝れないし、腹が立ってくる。
この腹が立ってくるのが良くない。
重要なのは、暗い中で目をつむって横になっているとそれだけで体力と精神は回復しているということで、
「睡眠の時間」として寝るために焦ってあれこれやるより、もう寝ない前提で「回復の時間」と決めて横になってるのが良いんじゃない。万が一寝たらラッキーくらいの感じ。
僕は医者じゃないので「横になるだけで寝れなくても睡眠効果は得られる」という説がどこまで本当なのかは知らないけど、かつて寝れなかった時もこれを念頭においておくだけでかなりストレスが減ってアレコレジタバタするより良かった気がする。
そして本当にもうどうしようもなく寝れなくて仕事ができないなら、僕は薬を飲んでもよいと思っている。
無責任な発言と言われるかもしれないけど、こういう歪でありながら、余計な事を考えられる程度には安全な国には適量なら薬も必要な物だと思うよ。
使わないにこしたことはないけど
Q、最近、地元でライブイベントの企画を始めたのですが、ヒョウリさんはどのような形でイベントに呼ばれるとモチベーションが上がりますか?
A、基本的に「好きだから来てくれ、演奏してくれ」と言われればその時点でモチベーションは上がる。
そして現実的にそこに行けるような形なら、現実にそこに行く。
明 らかに宣伝頑張ってくれてたり、いろいろ気が利いてたりで嬉しくなることはもちろんあるし、別にそれほど好きじゃないけど呼んだんだな、という時も、地方 に行ったら客が出演者の彼女2人だけだった(実話)とか、タイムテーブルに名前すら載っていなかった(実話)とか、「現金で絶対当日交通費をはらいま す!」というので行ってみたら「すいません、今日は手持ちが足りません。あとで振込ます」からいまだに数年払われてない(実話)とかあるだろうけど、別にそれでライブ自体のモチベーションとは正直僕はあんま関係ないし、「なんかイベンターが微妙だからライブ手抜きしよ〜」という考え方は聞いたこと無い。逆 にクソすぎて「ライブだけでも最高にしないとダメだ!」と言う謎のガッツが湧いてくる時すらある。
ただ「イベントをやりたいんです」という人は多くて、それは良い事だと思うんだけど、俺は「良いね、どんどんやりなよ!」とは言わない。
それは、自分自身が必ず出れるという確約があるわけではないし、何よりやっぱりそれなりにリスクがあり責任もあって楽なもんじゃないから。
遠方からバンドを呼ぶっていうのは、実はかなり責任が重いことだ(もちろん自分たちでやる時も)。
そして遠方で1本ライブをやるっていうのは、バンドにとってもものすごく大事なことだ(遠方じゃなくとも)。
そのことだけ、理解してくれてればバンドは良いと思うよ。
そんで、イベントにはギャラが良い、お客さんがたくさん入る、盛り上がる、飯がうまいとかいろいろあるけど、出会いを与えてくれるイベントというのが、良いイベントだ。
客も出演者も裏方にも。
バ ンド界なんて末恐ろしくラフなところで、俺もテキトー人間だけど、東京のオワリカラを呼んで出会いを与えてくれてる個人のイベンターは確かにいて、つ くばロックフェスのイコウガさんであったり、カナダのスティーブであったり、見放題であったり、nanoボロであったり、札幌のひでさんであったり、そう いう人たちに恵まれてることは感謝して幸運だと思ってる。
そういう人の頼みなら極力出たいと思えるし、そう思えるイベンターになってくれたら嬉しいし、良いんじゃないでしょうか。
でもどんどんイベントやりなよとは言わないぞ、俺は。
無理そうならやめよう。
Q、ヒョウリ君相談です
彼の言った意味を全く誤解して返事が出来ず深く傷つけてしまいました。
大切な人なのにごめんなさいとあやまりたいのにどうしていいのかわからないです。
とても辛いです。私が悪いのに。
ヒョウリ君はきちんと謝ったら分かってくれると思いますか?
A、謝る。
わかってくれるかについては文章から状況が読めないので安易にはわからないけど、ここにそんなに書いてるってことは謝りたいわけだし、
謝らず許されないのと、謝って許されないのなら、後者の方が良い。
とか言いつつ、僕もそういうのできない人間なので共に頑張ろう。
質問の文章を読む限り、活字中毒さんの観点は大部分が自分にあって、相手に無い感じがします。
これはちょっと自分の中で完結しすぎていて、ある種の想像力が足りない感じがするんだ。
もう少しだけ想像力を使って、状況を把握した方が良いのかも。
Q、好きな特撮ヒーローを教えてください
A、ウルトラマンA。男と女が合体するところ、ちょっと不細工なところ、声が野太くてセクシーなところ、得意技が切断系ばかりなところ、意外とホラー調なところなどのB級感が好き。女性隊員も好き。
Q、質問なんですがタカハシヒョウリさんの「ヒョウリ」は漢字表記だとどうなるんでしょうか?
A、高(ハシゴの方の高)橋表裏
Q、血液型はなんですか、また人の血液型を見抜けますか
A、僕はO型。あんま知らないけど、典型的なO型だと思って生きてる。ABとかセンシティブそうな血液型が良かったけど、たぶんO型的な人間じゃなかったらもう隠居してた。人のは見抜けません。周りにはAとBがおおい気がする。
つかれたー
では、また